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「泣きながらお母さんに電話するな!」ウエストランド井口が語る、『M-1アナザーストーリー』でカットされちゃった“母親の電話シーン”
posted2023/02/19 11:04
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Yuki Suenaga
◆◆◆
『アナザーストーリー』でカットされちゃった“電話シーン”
――ファイナルジャッジのときは、どんな思いで待っていたのですか。
井口 2本やってウケたいという目標しかなかったんで、それが達成できたからもう満足してたんです。だから、まったく緊張感もなく。
――結果、博多大吉さん以外、全員がウエストランドの名前を挙げ、6票を獲得しての圧勝でした。
河本 1人目の山田邦子さんが僕らに入れてくれたんで、あれ?とは思いました。あるかも、って。
井口 こいつが優勝の瞬間、「シャー!」ってやったんで、それで冷めちゃって。泣いてるし。
――河本さんの涙を見て、井口さんは、俺は泣くのやめとこうみたいに思ったのかなと想像してしまいましたが。
井口 そう見えたかもしれませんけど、ほんと、1ミリも泣けませんでしたね。
――最終決戦のネタで、M-1のドキュメンタリー番組『アナザーストーリー』がうざいという流れの中で、「泣きながらお母さんに電話するな!」というセリフがありました。『アナザーストーリー』のラストを飾るM-1王者の定番シーンなので、井口さんもお願いされるだろうけど、断るのかなと思っていたんです。でも、番組を観たら、井口さんもお母さんに電話をしていましたね。泣いてはいませんでしたが。
井口 お願いされたので電話しました。僕は仕事に関しては非協力的ではぜんぜんないので。僕ほどなんでもやるやつはいないんじゃないですか。ただ、嘘はつけない。嘘で泣いたりはできないんで。あのときも、母親は(2位の)さや香が優勝だと思ったとか、さんざんボケてきてたんです。でも、そこは全部カットされていましたね。
「こっちはおまえらの1億倍、考えてるんだよ」
――だいたいどの組も準決勝ネタと決勝の1本目のネタは同じものをかけますが、決勝のときはテレビ用に若干、表現を弱める等のマイナーチェンジを試みるものだと聞きます。ウエストランドの場合も、そういう変更は少なからずあったのですか。
井口 みんな考え過ぎなんですよ。もう、うるせえよ、って。1本目のネタで「佐久間さ~ん!」っていうくだりがあるじゃないですか。