2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER

「さや香1本目の瞬間は、“あっ今年も無理だ…”」ウエストランドが告白する本音「M-1王者の称号って正直しんどいじゃないですか?」

posted2023/02/19 11:02

 
「さや香1本目の瞬間は、“あっ今年も無理だ…”」ウエストランドが告白する本音「M-1王者の称号って正直しんどいじゃないですか?」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

ウエストランドの井口浩之(左)と河本太。2020年大会に続き、2度目のM-1決勝で王者に

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Yuki Suenaga

「こんな窮屈な時代でもテクニックとキャラクターさえあれば、毒舌漫才も受け入れられるって夢を感じた」。ウエストランドの優勝で幕を閉じた2022年のM-1。審査員の松本人志は最後にこんな言葉を残した。

その王者ウエストランドの単独インタビュー。「あっ、今年もダメだな……」さや香が1本目で667点を出した直後、河本太は悟ったという。2人が本音で語る、M-1の舞台ウラ。【全3回の1回目/#2#3へ】

◆◆◆

さや香1本目で「あっ、今年もダメだな」

――今大会の笑神籤(えみくじ)も待たされましたね。前回、2020年の初出場のときに続いてラスト出番、10番目でした。

井口 最後の2組に残ったのが、僕らとキュウで。あのときは「タイタンライブ」みたいな時間になっていましたね。

――ともにタイタン所属ですからね。9番か10番かになったら、もう、どちらでもいいという感じですか。気分的には。

河本 そうですね。どっちでも。

――2021年大会でラスト出番だったももは、10組目の前にCMが入って、あそこでもう終わってしまったような雰囲気になるのがすごくやりにくかったと話していました。そのあたりは気になりませんでしたか。

井口 CMが入ったことすら、あんまり覚えてないですね。おそらく、その間に、ちょっと練習できるなぐらいの感じだったんじゃないですか。

――今大会は流れ的には、4番手のロングコートダディ、5番手のさや香、6番手の男性ブランコでぐっと盛り上がって、以降、7番手のダイヤモンド、8番手のヨネダ2000、9番手のキュウと、思ったほど点数が伸びなかった印象があります。お客さんも、もう疲れちゃったのかなと思ったのですが。ラスト出番で、そのあたりの心配はなかったですか。

井口 僕らが初出場した2020年も、4番手(見取り図)、5番手(おいでやすこが)、6番手(マヂカルラブリー)でピークを迎えて、そこからは敗戦処理と言ったらなんですけど、点数が伸びなかったんです。だから、今回も4、5、6が終わった後、残っていたダイヤモンド、ヨネダ2000、キュウには「もう無理だぞ」みたいな話はしていました。ここからは開き直ってやるしかないぞ、と。

河本 僕はさや香がトップに立ったとき(667点)、かえって肩の力が抜けましたね。あっ、今年もダメだな、もう何番でもいいやって。

「なんか優勝しちゃいそうだな…」

――いろいろな芸人が言っていますが、M-1において、3組連続でウケることはあっても4組続くことはないというのは本当なのでしょうか。つまり、お客さんが、少し休みたくなるものなのだ、と。

井口 そうかも知れないですね。今のところ、そういう傾向はありますよね。

――9番手のキュウの9位という結果は、少し驚きました。こんなにハマらないものなのか、と。

【次ページ】 「なんか優勝しちゃいそうだな…」

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