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WBC日本代表“2つの不安”「塩見&近本らセンター不在」「先発多すぎ?」をどう考えるか…栗山監督の“采配ポイント”を冷静に分析
posted2023/02/02 11:00
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
Kichi Matsumoto
第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む30人の代表選手が発表された。
大谷翔平、ダルビッシュ有ら現役メジャーリーガー5人がメンバー入りし、国内組からも山本由伸、村上宗隆とNPBを席巻する選手たちが名を連ねるなど、「過去最強メンバー」の呼び声が高い。
しかし、どれだけ「最強」という評判が上がっても、メンバー選考には常に不満の声がつきまとうものだ。評論家YouTuberやSNSで飛び交う不安の声――それらをまとめると、以下の2点に絞られるのではないか。
1)先発投手のメンバー入りが多い
2)本職のセンターを守る選手がいない
まずは1つめの問題である「先発投手がなぜ多くなったのか」、そしてこの選考によって試合で生じうるケースについて考えてみたい。
「先発多すぎ問題」を考える
今大会からWBCに導入されたレギュレーションとして特異なものが、ワンポイント投手の起用禁止だ。これはメジャーリーグに準ずるルールで、リリーフ投手は3人の打者と対戦するか、イニングを完了する必要がある。代表発表の記者会見で侍ジャパンの栗山英樹監督は苦しい胸の内をこう語っている。
「ルール上ワンポイントがないので、登板したら3人投げないといけないということで、特殊な投手の枠が必要なくなった。先発をやりながらリリーフもできる投手を選んだ」
職人気質のリリーバーが選外になったのは、この新ルールによるものだ。
前回大会のリリーバーには宮西尚生をはじめ、牧田和久、平野佳寿、秋吉亮、岡田俊哉、増井浩俊、松井裕樹がメンバー入り。先発投手は7人だった。対して今回は、15人中10人が先発投手であるのを見ても、ルール変更の影響で、より多くの回を投げられる先発を増やしたと思われる。決勝、準決勝、準々決勝の先発を仮にダルビッシュ、大谷、山本と想定しても、今永昇太と佐々木朗希が控えた状態というのは十分すぎる陣容で、ほかにも5人の先発がいる。
そして先発問題を考える上で、前回大会と異なるもう一つの点を踏まえる必要がある。それは試合数の問題だ。