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八村塁の電撃トレードは“最善の選択”だった? ウィザーズの思惑と八村が抱えたフラストレーション…NBA記者が明かす“つながった一本の線” 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byGetty Images

posted2023/01/24 17:04

八村塁の電撃トレードは“最善の選択”だった? ウィザーズの思惑と八村が抱えたフラストレーション…NBA記者が明かす“つながった一本の線”<Number Web> photograph by Getty Images

ウィザーズからレイカーズへの電撃トレードが発表された八村塁。NBA4年目、環境を変えて再スタートを切る

 そういった背景がウェス・アンセルドJr.ヘッドコーチ(監督)の起用法にも影響したのだろうか。今季の八村は全30戦にベンチから出場し、平均13.0得点、4.3リバウンド。控えの得点源として随所に貢献し、自己最多タイの30得点を2度もマークしたが、1月18日のニューヨーク・ニックス戦では無得点に終わるなど、アップ&ダウンの激しさも目に付いた。

 昨年12月22日まで右足首の骨挫傷で約1カ月離脱したこと、フォワードのポジションはチーム内で層が厚いこともあって、プレータイムが30分を超えることは少なかった。最終クォーターの重要な時間帯にコートに立つこともごく稀で、主力からやや外れた役割に押しやられている印象は顕著だった。

「(自分が)いつ出るか、出ないかというのがわからないので、僕としてもリズムがつかみ難いんですけど、その中でもしっかりと自分のやるべきことをやるってことが大事じゃないかなと思います」

 思い通りに勝てないチーム状況もあって、最近では八村のコメントもフラストレーションを感じさせるものが増えていた。今回のトレード話が出てきたのは、まさにそんなタイミング。それゆえに、ウィザーズ戦を現場取材してきた記者にはすべてが綺麗な一本の線になって繋がったようにも感じられたのである。

“伸び悩み”の声も…ウィザーズの思惑は?

 ここまで来たら、おそらく両サイドにとってトレードこそが最善の選択肢だったのだろう。メイン格で起用されない八村の不満と物足りなさは理解できたが、ウィザーズ側にもそれなりの言い分はあったはずだ。

 NBAでもう4年目を迎えたが、FG成功率、リバウンド、アシストなどのスタッツは1年目からほぼ横ばい。大きな手、長い腕、抜群の身体能力、フィジカルの強さなど、八村が才能に恵まれた選手であることに疑いの余地はないが、その一方で、あるスカウトは「状況判断力に向上の余地はある」と評していた。

 入団当初から指摘されていた“feel(=センスとでも訳すべきか)の乏しさ”が、ハイレベルでの適応力不足に繋がっているという声も無視はできない。れっきとしたローテーションプレーヤーであり、日本人選手というくくりではその時点で快挙といえても、ウィザーズ入団直後の期待度を思えば、“伸び悩み”と捉えているファンもいるはずだ。

【次ページ】 “環境の変化”が必要だった

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