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八村塁の電撃トレードは“最善の選択”だった? ウィザーズの思惑と八村が抱えたフラストレーション…NBA記者が明かす“つながった一本の線”
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2023/01/24 17:04
ウィザーズからレイカーズへの電撃トレードが発表された八村塁。NBA4年目、環境を変えて再スタートを切る
この停滞の原因は、3年目には“個人的な理由”での離脱も経験するなど、なかなか1年を通じて活躍して来られなかった八村自身にあったのか。あるいは現在の姿が本来の実力であり、上限なのか。それともウィザーズの育成、起用法がさらなる出世を妨げていたのか。その問いの答えをはっきりさせ、ステップアップのポテンシャルを探る意味でも、今の八村には“change of scenery(環境の変化)”が必要だったのだ。
「自分に何ができるかはわかっています。このチームでも、他のチームでも、自分がチームの勝利を助けられることはわかっています。今の瞬間に集中し続けなければいけません。多くのことが起こっていますが、ただプレーし、自分らしくいたいんです」
そうはっきりと述べていた日本バスケットボールの至宝は、24歳にしてNBAキャリアのターニングポイントを迎えることになった。
注目度が高く、必然的にプレッシャーも大きくなるレイカーズで、八村は「自分らしく」いられるのか。レブロン、元同僚のウェストブルックといった強力なリーダーに率いられたリーグ最大の名門チームは最善の環境なのか。依然として“未完の大器”という印象もある24歳は、ここでポテンシャルを華開かせるチャンスを得るのか。
それらすべての問いに答えが出されるのが今季後半戦。舞台をアメリカ西海岸に移し、また新たなストーリーが始まる。八村にとっての新章はこれまで以上にワイルドで、同時に楽しみな時間になりそうな予感はすでに濃厚に漂っている。
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