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「公立校で無名」伊東純也が見出された一撃、「くそガキ」だった鎌田大地や選手権ヒーロー柴崎岳の強い芯とは〈日本代表の高校時代〉
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2023/01/09 17:00
柴崎岳、伊東純也、鎌田大地。それぞれの高校時代のルートは違えど、日本代表へとたどり着いた
柴崎が高校時点で考えていた“活かし、活かされ”
<名言2>
うまい選手に「活かされたい」と思うし、守備面でも「こいつが何とかしてくれるなら、自分は一生懸命ボールを取って渡して、活かされよう」と思います。
(柴崎岳/Number771号 2011年1月27日発売)
https://number.bunshun.jp/articles/-/83370
◇解説◇
今大会の選手権、青森山田は準々決勝で福田師王(ボルシアMG内定)擁する神村学園に1-2で敗れ、大会連覇はならなかった。しかし昨年度までに4大会連続となる決勝進出を果たすなど、高校サッカー界における“最強校”として君臨してきたのは間違いない。
その青森山田が最初に「日本一」に近づいたのは、2009年度、第88回大会でのこと。決勝で山梨学院高に敗れて準優勝に終わったものの、青森県勢としては初となる決勝の舞台を踏んだのだった。その中にあって2年生ながらチームのゲームメークを司ったのは柴崎だった。自身も同大会で2得点をマークするなど出色のプレーぶりで、高校2年生の時点で鹿島アントラーズ内定が決まるほどだった。
翌年度の同大会、最上級生として迎えた柴崎と青森山田は3回戦で姿を消した。「鹿島には小笠原(満男)選手などレベルの高い選手がたくさんいます。そんなプレーヤー達から『活かされる選手』になりたいと思います」と語り、チームで活かし、活かされる選手になることを誓っており、強い芯を感じさせた。
プロ1年目から常勝軍団・鹿島で出場機会を得た柴崎は、ナビスコカップ連覇、さらに2016年クラブW杯でレアル・マドリー相手に鮮やかなミドルシュートを叩き込むなど鮮烈な輝きを放ち、ロシアW杯ではゲームを作るコンダクターとしての役割を全うした。カタールW杯では出場機会に恵まれなかったものの、高校サッカー、Jリーグ、日本代表とそれぞれのカテゴリすべてで輝いた選手として印象を刻みつけている。
差があり過ぎて悔しさとかはなかったですね
<名言3>
「すげぇな」とは思いましたが、差があり過ぎて悔しさとかはなかったですね。
(伊東純也/NumberWeb 2022年4月20日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/852768
◇解説◇
高校でサッカーにいそしむティーンエージャーにとって、全国高校サッカー選手権は今も昔も夢の大舞台だ。古くは水沼貴史(浦和南)、中田英寿(韮崎)や中村俊輔、そして乾貴士(野洲)、大迫勇也(鹿児島城西)に浅野拓磨(四日市中央工)と後の日本代表選手が脚光を浴びてきた。
その一方、選手権とは全く無縁ながらも日本代表に上り詰めた選手もいる。その代表格と言えるのが、カタールW杯日本代表の伊東純也だ。