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宇野昌磨「あまり嬉しく思えない」の真意とは…フィギュア世界選手権の選考基準をめぐる舞台裏「男子3人はどうやって選ばれたのか?」
posted2022/12/28 17:03
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
AFLO
「僕が言うことではないのですが、この選考基準というのはどういったものか僕にはよく分からないですが、あまり嬉しく思えない部分もあります」
来年3月に開かれる世界選手権の代表選手が12月25日に発表され、その会見の場で宇野昌磨(25)が選考基準に疑問を呈し、物議をかもしている。代表に選出されたのは、男子は、宇野昌磨、山本草太(22)、友野一希(24)で、女子は、坂本花織(22)、三原舞依(23)、渡辺倫果(20)。全日本選手権男子2位の島田高志郎(21)は選ばれず、また女子で12位だった渡辺が選ばれるなど、選考が不透明だという印象を与えた。
選考が正しかったのかどうか、そして宇野はなぜこの“栄えある”会見の空気を崩すような発言をしたのか。それぞれの真意を振り返る。
世界選手権3枠の選考基準とは
まず選考そのものだが、日本スケート連盟は毎シーズン始めに「派遣選手選考基準」を発表する。竹内洋輔フィギュア強化部長はこう説明する。
「基準は、コーチ、選手に事前に伝えているので、先生方は、自分たちはどの項目を狙っていけるのか戦略的に対応していくことになります。ソチ五輪以降、大幅な変更はありません」
3枠の選考基準は下記のとおり。2人目、3人目は、項目を満たす選手のなかから、強化部とフィギュア委員会による総合判断となる。
【1人目】全日本選手権・優勝者
【2人目】
(A)全日本選手権2位・3位
(B)ISUグランプリファイナル上位2名
(C)ISUシーズンベストスコア上位3名
【3人目】
(A)2人目の選考で漏れた選手
(B)ISUワールドスタンディング上位3名
(C)ISUシーズンワールドランキング上位3名
(D)国際大会・指定国内大会でのシーズンベスト技術点の上位3名