サハラマラソン挑戦記BACK NUMBER
サソリ、誘拐、遭難、遊牧民……。
「砂漠ランナー新年会」で情報収集!
text by
松山貴史Takashi Matsuyama
photograph byMiki Fukano
posted2011/02/04 06:00
基礎体力向上のために、とりあえず毎日10km走る。
10月の中旬にぼくの住んでいる寮「和敬塾」の体育祭が終了。
体育祭期間中は過酷な練習が続いていたため、マラソン練習は一時中断していた。そしてサハラマラソンについて調べてはみたが、結局具体的にどんな練習をしていいのか分からない。
とりあえず基礎体力向上のために、約1カ月後の河口湖マラソンにエントリーして毎日10Km走ることにした。
そんな時、寮の後輩が「精神昂揚会企画の六大学ハイクに出ませんか?」と誘ってきた。早稲田精神昂揚会は、その名の通りの自己啓発系サークル……ではなく、早慶戦、早稲田祭と並ぶ、早稲田大学三大行事の一つ「100キロハイク」の企画などをしている団体だ。
六大学ハイクの要綱を見てみると「都心の主要な六大学を徒歩で巡りながら大隈講堂を目指す」とあり、距離も35Km程度だったので練習の一環として参加した。ちなみにゼッケンネームは「スポンサー募集中(サハラ砂漠マラソン出場します)」。
今回のハイクは割と普通のイベントではあったが、要所でお楽しみイベントが用意されていて、そのフィナーレ企画は参加者から一番面白い人を選ぶ「六大学王決定戦」。エントリーシート選考があり、さらに何度かの面接を経て出場者が決まるのだが、なぜか自分が3人のファイナリストのうちの1人に選ばれた。
図らずも早稲田大学・大隈講堂で大喜利する羽目になってしまった。お題は以下の6題。
・慶應の応援歌を歌いなさい。
・明治はある部分で早稲田を抜いたがどういった部分か?
・1968年東大の受験が中止になった理由は?
・中央大学の創設者は何で有名になった人物か?
・この人(大隈重信)は誰?
・立教は~系大学と呼ばれているが、何系か?
結果は惜しくも2位に終わったが、そもそも自分は東京外国語大学生である。アウェーでの2位は大健闘だろう。自分の答案をご披露したいところですが、文章化するとスベってしまう可能性大なので、あえて書きません。すいません。
だが、この2位はサハラマラソンの知名度向上には一役買えたのではないかと思う。「スポンサー募集中(サハラ砂漠マラソン出場します)」をつけて大隈講堂に立ったので、それ以降、早稲田周辺を歩いていると「外大の砂漠の人ですよね?」と声を掛けられることがしばしばある。
河口湖マラソンで「サブスリー」を目指したものの……。
思わぬ騒動になったハイクを終え、河口湖マラソンを迎えた。
目標は3時間切り。いわゆる「サブスリー」というやつです。
気候も良く、スタート位置も良かったので暫くは先頭集団に付いて走っていた。しかし、トップ集団のスピードは尋常ではなく15分くらいで離されてしまう。その中を走る有森裕子さんの存在に気がつき、ふと我に返る。よく考えるとトップ集団はオリンピックを目指すようなランナーだったのだ。それ以降はマイペースで走ることに。