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岡崎慎司が考える“W杯vsドイツ・スペインの隙”とは「どっちも裏のスペースが怖いはず」「だから、自然とパスミスが多くなる」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/11/22 11:02
ドイツ、スペインでのプレー経験豊富な岡崎慎司(14-15シーズンのマインツ時代)。だからこそ2カ国の“隙”についての言葉には重みがある
「ボールを大事にして、自分たちでしっかり回してという展開だけじゃなく、かなり早いタイミングで前へパスをつけるのがトレンドになっていると思います。ボールを奪っても下げずに、すぐに前に運ぶプレーが求められている。だから、自然とパスミスが多くなる」
確かに、攻守の切り替え直後は両チームとも組織が乱れていることが多い。その状況で即座にゴール方向へ攻めようとすると、不確定要素が増え、ミスに繋がる。結局、確実性という見地からするとボール保持チームにミスが増えているが、守備のポジショニングやプレスのタイミングにもミスが生じやすくなる。そこを利用して突破することができたら、一気にゴールを狙えるかもしれない。
相手を外そうとする勇気、自信があるかどうか
確かに、そうした攻防が最近のヨーロッパでは多い。
「だから、そこは楽しみです。日本も多くの選手がヨーロッパでプレーしているせいで、そうしたサッカーに慣れている。これまでの日本サッカーは、どちらかというとそういう速い展開のサッカーを苦手にしてきたけど、いまの代表には速い展開のサッカーができる選手が増えてきていますから」
そうしたハイスピードでのやり合いになると、ボールが行ったり来たりで落ち着かなくなったり、カウンターばかりを狙ったりしがちになる。また、いざボールを持った状況でアイディアや準備がなければ、相手の勢いに飲み込まれてしまう。
どこかのタイミングで相手をいなし、自分たちの時間を作り、自らチャンスを生み出すバリエーションを持っていることが重要になってくる。
岡崎は、自信と勇気が鍵だと言う。
「いろいろな大会に出て、いろいろな国でサッカーをして思ったことなんですけど、相手のマークを一つ外せばボールを繋げるのに、その一つが外せない。そこが大きな差になる。相手を外そうとする勇気、自信があるかどうか。
W杯なんで焦ってしまうところもあるかもしれないですけど、そこで勇気を持てるか、自信を持てるか。相手の組織が少し乱れて、単独でプレスをかけてくるシーンが絶対あると思うので、そうしたときしっかり自分たちの時間を作って、自分たちの流れにするってことが重要だと思います。休むことも大切。プレスを続けるのは、メンタル的にキツい。自分たちのプレーで相手のプレスを一つ、二つと外して、相手のプレスが緩まる瞬間を、どれだけ作れるか。そこが結構重要かもしれないですね」
<#3、#1につづく>