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「直前に監督解任して団結するのは…」「ドログバが入った時、みんな“どうしよう”と」岡崎慎司36歳が明かす“W杯出場3回の教訓”
posted2022/11/22 11:01
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
ワールドカップ・カタール大会が開幕した。世界の強豪国が集う4年に一度の夢舞台において、日本は優勝経験国であるドイツ、スペインと同グループに組み分けられた。この現実をどのように受け止め、どのように準備し、どのように戦うべきなのか。
歴史から学べることは多い。
日本代表のメンバー発表から数日が経った11月初旬、岡崎慎司に話を聞いた。日本代表通算得点ランキングは歴代3位の50得点、出場数は4位の119試合という記録を持つ男の言葉は、実に説得力に満ちていた。
興奮の度合いも普段の試合とは全然違う
自身が参戦した過去3度のW杯(2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会)を振り返ってもらいつつ、W杯という大会の価値、思い出に残るエピソード、W杯に対する思い、今回のメンバー構成についてなど、インタビューは多岐にわたった。
「国と国との戦いであるW杯は、僕の想像を遥かに超えていました。普段のクラブ同士の試合では見られない特別な団結力が発せられるんです。ヨーロッパのクラブでプレーする選手たちは個人のパフォーマンスにフォーカスすることが多いのに、ワールドカップでは個人よりもチームを重視するようになる。やっぱり、そこがすごいなと。
短期決戦ということで緊張感も別物だし、興奮の度合いも普段の試合とは全然違う。あの大会は、本当にすごいエネルギーを持っている。唯一無二ですよね。それは、最初に出場した南アフリカ大会で感じたことです」
岡崎はW杯に3度出場し、10年と18年に決勝トーナメントに進んでいる。だが、「最も印象に残っている大会は?」と尋ねると、意外な答えが返ってきた。
「一番思い出深いのは2014年のブラジル大会ですね。自分たちが確固たる自信をもって、僕自身もマインツでセンターフォワードを務め、ブンデスリーガでシーズン15点。かなり良いシーズンを送って、いい感触で大会を迎えることができたにもかかわらず、グループステージで1勝もできませんでした」
ブラジルW杯は「自分たちの形」が少なかった
14年ブラジル大会に臨んだ日本代表には、岡崎のほかにも香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)、本田圭佑(ミラン)、長友佑都(インテル)、内田篤人(シャルケ)といった具合に、欧州1部リーグのビッグクラブで主力を張る選手が揃っており、世間からの注目と期待が大きかった。
岡崎も言っているが、当の選手たちにも相当の自信があった。ところが結果は……。その要因は何だったのか。