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岡崎慎司が考える“W杯vsドイツ・スペインの隙”とは「どっちも裏のスペースが怖いはず」「だから、自然とパスミスが多くなる」 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/11/22 11:02

岡崎慎司が考える“W杯vsドイツ・スペインの隙”とは「どっちも裏のスペースが怖いはず」「だから、自然とパスミスが多くなる」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ドイツ、スペインでのプレー経験豊富な岡崎慎司(14-15シーズンのマインツ時代)。だからこそ2カ国の“隙”についての言葉には重みがある

「もし前からプレスに行くんだったら、90分間やり続けなきゃいけなくなるかもしれない。相手に余裕を与えず、常にミスを誘発させて、リズムよくプレーさせないようなやり方に持ち込む。おそらく、まずは前から行くと思うんですけど、そのプレスを外されたときにどうするのか。そこは絶対に考えておかなければいけない」

はまらない時にプランB、Cに移行できるか

 今年9月のドイツ遠征で対戦したアメリカは、日本がプレスをかけやすい位置にパスを回して、自分たちから罠にハマってくれた側面がある。ただし、プレス回避能力が一段上のドイツやスペインの場合、日本のプレスをかわし、ボランチ脇のスペースにパスを送り、一気にゴール前まで持ち込まれる展開も予想できる。そうした状況を想定して、しっかり準備しておかなければならない。

 とはいえ、いまの日本には十分に対応できるだけの選手が揃っている。

「いかにプレスをかけるかが一番のポイントじゃないですか。今回のメンバーだったら、まずはそこにチャレンジするはずなんで。でも、うまい選手相手にプレスをかけたときにそれがはまるか、はまらないかを見定めて、プランB、プランCへ移行できるかどうか。あるいは『外されてもいいから、とにかく前からプレスに行く』と決断するのか。そこは、すごく楽しみなところですね」

 狙い通りにボールを奪い切れるかどうか、あるいは、ボールを奪えない場合でも危険な位置へ運ばれずにしのげるか。そのあたりの感覚を、現代表の選手たちは共通認識として持っている点がメリットだと岡崎は見ている。

「やっぱり、大事になるのは対人のところじゃないですか。相手の走るスピードだけじゃなくて、パススピードや判断スピードにすぐ対応できるかどうかは、ずっとヨーロッパでプレーしている選手とそうじゃない選手とでは、慣れる時間が違うと思うんです。
 試合をやるなかでも慣れていけるとは思いますが、最初のプレーで相手を威圧できるかどうかが、すごく大事。それがしっかりできる4バックと2ボランチによるDFラインが、日本の鍵を握っていると思います」

トップレベルの試合でパスミスが多くなっている?

 岡崎はさらに、試合運びに関して最近のヨーロッパのサッカーを見ていて気づいたことがあると教えてくれた。チャンピオンズリーグや各国のトップレベルのクラブの試合で、パスミスが多くなっていると言うのだ。

【次ページ】 相手を外そうとする勇気、自信があるかどうか

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