「W杯落選にちゃんと落ち込んだ」FW岡崎慎司36歳は今、何してる？「インサイドハーフにトライして」「期待するのは鎌田大地と…」

　11月1日。カタール・ワールドカップへ向けた日本代表メンバーが発表されたあの日、自分の名前がないことを確認した岡崎慎司は「ちゃんと落ち込んだ」と言う。

「朝早い時間の発表でしたが、起きていました。なんとなく『明日かぁ』って思いながら前日の夜は普通に寝て。普段は真司（香川）なんかと『いや、もう無理だよな』みたいな感じで話してはいましたけど、心の奥底ではちょっと期待してる自分もいたんです。

『メンバー発表でサプライズがあるとしたら、自分なんじゃないか』って。だからなんか自分でもびっくりしました。自分は、こんなに自分に期待してたんだなって。そのあとでちゃんと落ち込みましたが、W杯に関してはやり切ったと言えます」

“ヨーロッパに来いよ”とメッセージを出せる自分で

　4大会目のW杯出場の夢が断たれたいま、岡崎は、この先のサッカー人生にどのようなビジョンを描いているのだろう？

「ここまで長くヨーロッパでプレーしてきて、W杯へのチャレンジが終わったので、すぐ日本に帰ろうってメンタルにはならなかったです。

　ここまで来たら、やっぱり自分にしかできない人生にチャレンジしたい。ヨーロッパでもっと長くプレーして、これからヨーロッパに出てくる選手たちに対して、直接何か言うわけではないけど、『ヨーロッパに来いよ』ってメッセージを出せる自分でいられたらと。日本に帰ったら、たぶん違和感が出てくると思うんです。ヨーロッパでプレーしていたという立場で、『お前、ヨーロッパサッカーはこんなもんじゃねぇぞ！』と言ってる自分は、どうも想像できなくて」

現在、前向きにインサイドハーフ挑戦しているワケ

シント・トロイデンでの岡崎　©STVV

すべての写真を見る（6枚）

　現在所属しているシント・トロイデン（ベルギー）ではコンスタントに出場できている。ベルント・ホラーバッハ監督は、ドイツで内田篤人や長谷部誠も指導したフェリックス・マガト監督のアシスタントコーチを務めていた人物だ。

「鬼軍曹」と呼ばれたマガトの猛練習を間近で見続けてきた。古い考えの持ち主らしいが、走れる選手を使うという、わかりやすい基準がある。

「いまはインサイドハーフでプレーしているんです。これまではサイドハーフとか中盤をやらされると、納得できないところがありました。やっぱり僕はフォワードがいいので。ただ、W杯がなくなったので、もう1回頭をまっさらにしてトライしてもいいのかなって、いまは、その方向で楽しめるようにしようかなって思っているんです。

　それで今後どうなるのか。この1年間、必死に与えられたポジションやってみて、自分の評価がヨーロッパでどうなるのか見て、またチームを考えてもいいかなって。だから、いまはあれですね、新しいサッカー人生をヨーロッパで歩むような気持ちでやってます。だって、この歳になっても、まだまだ学べることがあるじゃないですか」

【次ページ】　単純かもしれないけど鎌田、上田、三笘ですかね