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ドラフトウラ話…プロ野球スカウトがウンザリ「まさかの“指名漏れ”、なぜ起きた?」 大学監督は困惑「あんなに調査書も来てたのに…」
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJMPA
posted2022/11/06 17:00
10月20日に行われたドラフト会議。異例の9球団“1位事前公表”となった一方で、有力候補の指名漏れもあった
ポイントは、調査書よりもむしろ「面談」だという。
「調査書っていうのは、指名する可能性がありますよってこと。調査書送った上で、面談をお願いする場合は、内面に問題なければ、指名させてもらいます。つまり、就活でいう“最終面接”ですね。われわれも、プロでたくさん人を見ていますから、30分も会って話をすれば、性格はだいたいのところ、わかります」
雑談で終わる球団もあれば、「生きていく中で、君がいちばん大切にしていることは何か?」のようなテーマを設けて、面談を行う球団もある。
「正直、調査書がたくさん来たからって、指名ありと思われると、ちょっと……。会わせてくださいって来たら、確率高いかなって、思ってもらえれば」
選手の側の指名漏れショックを少しでも軽くできれば……そこを願っての「ウラ事情」のお知らせと思っていただければ。
「あとは“縛り”じゃないですか?」
「どうなんでしょう。でも、ほんとのところ有力選手の指名漏れっていうことになれば、いちばんの理由は、あの“縛り”ってやつじゃないですか」
選手はプロに行きたい。一方で、社会人チームはどうしても入社してほしい。ならば、プロから上位(3位ぐらいまで)で指名された場合はあきらめますが、そこまでに指名がなかった時は、ぜひ当社へ。
そうした「お約束」のことで、法的拘束力こそないが、学校側も、社会人側も、それとなく発信するので、そもそもが持ちつ持たれつの間柄のプロとアマ……なんとなく従わざるを得ない雰囲気になって、指名を見送るケースが、今年もいくつかあった。
「まあ、あとは、育成では行きません……とか、指名されそうな選手に指名がないという理由は、いくつもあるんだけど、それぞれのケースにそれなりの理由があるんですよ……そんなところで、なんかもう他の話しましょうよ」
最初に登場してくださったスカウトの方は、とうとう最後までウンザリしたままで、話題を変えられてしまった。
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