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森保一監督に“ファンがモヤモヤする正体”って何だ? 過去全試合を調べて浮かぶ「ビハインド時の交代策・少ない逆転勝ち」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/11/05 17:00

森保一監督に“ファンがモヤモヤする正体”って何だ? 過去全試合を調べて浮かぶ「ビハインド時の交代策・少ない逆転勝ち」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

日本代表監督就任後、39勝を挙げた森保一監督

 選手交代はケガや疲労の見えた選手を代えるためだけにあるのではない。試合中の流れを変える意味を担っているが、それが実行されたケースは少ない。

 次に、先制された試合でのデータが持つ意味を考えていく。

 各監督の下での「先制された試合の成績」や「最大での連敗数」を並べてみた。以下は監督名/平均獲得勝ち点/先制された後に勝ち点を獲得した割合・全成績と並べている。(※森保体制は現時点までのもの。PK戦にもつれこんだ場合、公式記録同様に引き分けとして扱う。アシスタントコーチの横内昭展氏が監督代行等の形で指揮をとった試合を除く。以下すべて同じ)

<先制された試合の成績>
森保    0.53点/23%/2勝1分10敗
西野    1点/40%/1勝1分3敗
ハリルホジッチ 0.56点/56%/5分4敗
アギーレ 0.5点/50%/1分1敗
ザッケローニ 0.95点/50%/5勝6分11敗
参考記録:森保監督が指揮を執った東京五輪代表 0.33点/16.7%/1勝1分10敗

 先制された試合で、最終的に勝ち点を獲得できた割合は最も低かった(西野監督、アギーレ監督の場合はサンプルケースが少ないという点があるが)。

先制された後に逆転勝ちor追いついた試合は?

 次に「先制された後に日本が勝ち点を確保した」試合について、対戦相手の顔触れなどに目を向けてみる。

<先制されたあと、逆転勝ちを収めた試合>
2019年1月9日 トルクメニスタン戦(アジア杯グループリーグ初戦)〇3-2
2019年1月17日 ウズベキスタン戦(アジア杯グループリーグ第3戦)〇2-1
<先制されたあと、引き分けに持ち込んだ試合>
2022年3月29日 ベトナム戦(カタールW杯最終予選最終戦)△1-1

 逆転勝ちをした2試合では、逆転を果たした時点での選手交代は「なし」。ベトナム戦は、選手交代を1人(伊東純也が交代出場)したあとに同点ゴールが生まれているが、そのゴールに伊東が絡んだわけでもない。また、ウズベキスタン戦とベトナム戦はそれぞれグループステージもしくは予選突破を決めた後の一戦だった。この3試合とも、監督の采配が試合に大きく関与したわけではなかった。

 この傾向から、読み取れることは大きく2つあった。

1:その時点の主力で臨んだ試合で、先制されてから勝ち点を獲得したのは、1試合のみ
2:先制されてから勝ち点を獲得した相手は、アジアの中堅以下の国のみ(W杯出場経験のある国との試合での勝ち点獲得なし)

 最後に、先制された試合をひっくり返せずに負けた試合が、最大で何回続いたかをまとめたものは以下の通り。

【次ページ】 ジョーカーである三笘を対戦相手は研究するはず

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