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中山雄太W杯絶望などケガ人続出…森保ジャパンが“交代策で番狂わせ”するには? “ドイツの名将”から学べる「2つの要点」
posted2022/11/05 17:01
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto/Getty Images
日本代表史上最多勝利と最高勝率を記録しているのに、森保一監督の采配に対する疑念の声が絶えないのには、いくつか理由がある。
例えば、ヨーロッパで活躍する選手の質と量が過去最高レベルながら歯がゆい展開が散見すること、さらに2019年アジアカップ決勝や、五輪代表を率いて挑んだ東京五輪の3位決定戦など、大一番で勝てなかったことも一部の人たちが物足りなさを感じる原因だろう。
何より大きいのは、相手に先制された試合をほとんどひっくり返せていないからではないか。それもあって、多くの人が「監督のおかげで窮地から救ってもらったと感じる試合がない」と不満を感じているように見える。
9月シリーズで“違う手応え”を得た可能性が?
それでも――選手交代について、ここにきて違う手応えを監督がここにきて得た可能性はある。そこで9月26日、エクアドル戦前日の会見で、以下のような質問をぶつけることにした。少々長くなるが、筆者の質問からQ&A方式で抜粋する。
Q.「アメリカ戦は素晴らしい試合でした。監督が就任当初の5試合(2018年9~11月)も含めて、お互いが良いところを出し合う試合では、このチームは力を出すと改めて感じました。逆に、日本がやりたいことをやれなかった時に、なかなか上手くいかない点に課題があると感じています。試合前のプランが上手くいかなかったときにどうすればいいのか……例えば、選手交代を含めての修正策など、どう変わってきたかなと感じていることを教えてください」
A.「どう変わったのかは、みなさんに評価していただきたいな、と。この活動(9月シリーズ)が終わってから、またW杯本大会に活かしたいなと思います(笑)。試合で上手くいかないことに関しては、常に改善を考えています。
“手段”のところは『(選手交代をせず)継続することが、試合をよりモノにできる、流れを引き戻せる』と判断をすることもありますし、選手やシステムを変えることもある。そういうことはこれまでもやってきていて、“上手くいかなかった時に手を打っていない”ことはなかったと思います。逆に、どういう点ができなかったと感じているんですか?」
Q.「例としては、先制された試合です。交代で送り出せる選手が今だと5人になりますが、交代した選手がどれだけ点を取ったのか、就任されてからの『イメージ』はありますか?」
A.「データ的にはわかりませんけど、常に『その選手が試合の流れを引き戻す、試合の流れをひっくり返してくれるだろう』という想いを持って送り出しています。
選手たちは力がついていますし、レベルアップしてきている。これまで上手くいかなかったことがあるかもしれないですけど、これからは変わるかもしれないと言えるかなと思います」(※実際には、先制された13試合のうち、2019年11月のベネズエラ戦、0-4から山口蛍が取った1ゴールだけだから、少ないという「イメージ」は監督の中にあるはずだ)