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「さすがはマルケス」3戦連発! 手術から復帰した最速ライダーの恐るべき回復と、気になるホンダの戦闘力 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2022/10/08 06:00

「さすがはマルケス」3戦連発! 手術から復帰した最速ライダーの恐るべき回復と、気になるホンダの戦闘力<Number Web> photograph by Satoshi Endo

スピードレンジが下がり、体への負担が少ないウエットコンディションとはいえ、日本GPでのPPにはファンも関係者も驚かされた

 気になるのはホンダのマシン・RC213Vの現状だ。9月の公式テストにマルケスともども参加したが、結果だけを見れば、再手術前の第8戦イタリアGPまでとリザルトに大きな変化はない。違うのは、マルケスにとってこの3連戦は右腕の回復を確かめながらの走行で、腕の負担を減らすためにブレーキングで足をステップから外す頻度が減り、ニーグリップした状態での走行が増えたこと。誰にも負けないハードブレーキングがマルケスの大きな武器のひとつだが、コースサイドで見ているとマルケスらしいアグレッシブな迫力を感じることはなかった。

 それでいながらマシンの限界が低いためか、コーナーの進入からクリッピングに掛けてフロントがスライド。さらにリアまでスライドするという不安定な状態となることもある。こうした挙動を何度も繰り返しながら走行を続けるマルケスには、ここでも「さすがはマルケス」だと思うばかりだった。

 他のライダーなら、「転ばないようにもう少し安全マージンを取って走ろう」と思うに違いなく、パフォーマンスもタイムも落ちることになる。マルケス以外のホンダ勢が思うような結果を残せないのは、当然なのかも知れない。

回復は順調。足りないのは…

 9月上旬、マルケスがイタリア・ミサノの公式テストで復帰したとき、ぼくは実戦復帰は時期尚早だと思った。2020年のスペインGPで右腕上腕骨を骨折してからというもの、復帰を焦ったばかりに結果的に何度も遠回りになっている。だから、「今度こそ復帰のタイミングを間違えないで欲しい」と書いたが、この3戦を見る限り、復帰のタイミングは正しかったのかも知れない。というよりも、マルケスがこれまでと違って、いい結果を残そうと焦っていないところが最大の違いなのかも知れない。

 今回の復帰は、マルケスが語る通り「自身の右腕の回復のため」であり、来季に向けてのマシン開発のためであることは間違いない。しかし、100%の走りでないにも関わらず、転倒寸前の滑りを繰り返しながら走行を続けるマルケスをコースサイドで見ていると、ヒヤヒヤさせられるのも事実である。

 マルケスのコメントを聞く限り、この3戦を経ても右腕は順調に回復しているし、あとはマシンが以前のように戦える状態になることだけである。一日も早く、強いホンダが復活し、もっと高いレベルで「さすがはマルケス」と言わせるマシンになって欲しいと思うばかりである。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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