Number World Cup ExpressBACK NUMBER

「得点シーンより、ボールを持っていない選手を見ています」サッカーの“オフザボール”にヒントを見出す、バレーボール日本代表・高橋藍の戦術眼 

text by

渋谷編集室 with ABEMA

渋谷編集室 with ABEMASports Graphic Number with ABEMA

PROFILE

photograph byKiiichi Matsumoto

posted2022/10/07 11:00

「得点シーンより、ボールを持っていない選手を見ています」サッカーの“オフザボール”にヒントを見出す、バレーボール日本代表・高橋藍の戦術眼<Number Web> photograph by Kiiichi Matsumoto

東京オリンピックでの活躍も記憶に新しい高橋選手。さらなる飛躍を遂げるため、21年12月からはセリエA・パドヴァでプレーしている

――「意識」や「視野」とおっしゃっていましたが、サッカーを見る時、高橋選手はどんなところを特に見ていますか?

高橋 得点シーンよりもむしろそこまでの過程。特にボールを持っていない選手をよく見ています。バレーボールも、プレー中にボールを触っていない選手がどんな動きをしているか、データでも出されていますし、とても重要なポイントになるので、サッカーを見る時も目が行きますね。

 視野に関しても、サッカー選手の周辺視野はどれぐらいまで見えているのかな、何を見ているのかな、と気になります。バレーボールの場合はスパイクを打つ時、たいていの選手がボールを見て動き、打つ瞬間に相手ブロックを見て空いているところを狙って打つのですが、サッカーはフィールドが広いのでどこまで見てパスを出しているのか。とても興味深いです。

――インドアとアウトドア、接触と非接触、試合時間など違いが多いように見えるバレーボールとサッカーですが、高橋選手から見て“共通点”はありますか?

高橋 どちらもチームスポーツなので、意外と共通点も多いですよね。たとえばサッカーで、ドリブルが得意な選手がいれば目立つし、中心選手として活躍する選手なのかもしれないけれど、どれだけすごい選手でも1人では勝てない。勝敗を決める、点を取るというところで大切なのはチーム力であるのはどちらも共通していると感じます。パスを出す時も、次の人が動きやすいようにどこへボールを出すか、しかも優しく、つなぎやすいように、とか、いろいろ考えているんやろうなぁ、ってすごく気になります。

サッカー選手になれるとしたら…

――もし高橋選手がバレーボール選手ではなく、サッカー選手になれるとしたら、やってみたいポジションはどこですか?

高橋 やっぱりフォワードじゃないですか? 攻めたいし(笑)。でもバレーボールで手を使うボール扱いに慣れているから、ゴールキーパーもいいかもしれない。ジャンプもできるし、反応の速さにも自信はあります(笑)。

【次ページ】 4年に一度の発見と刺激

BACK 1 2 3 NEXT

ページトップ