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「大阪桐蔭はじめ甲子園組は別世界の人」「私学とも戦える戦力に」府内屈指の超進学校も興味を示す“スーパー大連合チーム構想”とは
 

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清水岳志

清水岳志Takeshi Shimizu

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photograph byHirakata Nagisa HighSchool

posted2022/10/03 11:01

「大阪桐蔭はじめ甲子園組は別世界の人」「私学とも戦える戦力に」府内屈指の超進学校も興味を示す“スーパー大連合チーム構想”とは<Number Web> photograph by Hirakata Nagisa HighSchool

大阪府内の公立校では、枚方なぎさ高校など多くの高校が集まって合同練習をしている

 下校時刻も早い。そこから塾に行く生徒もいて、15人中、7人が塾に通う。特に3年生は、目標とするのは京大、阪大、神戸大などの国立上位の大学合格に向けて、勉強に重きを置いている。

桐蔭はじめ甲子園組は別世界の人、とうちの生徒は見てます

 そんな大手前高校は、今夏は2回戦で大阪桐蔭と対戦した。6回で0対10。5回コールドを免れた時はベンチが沸いた。

 ただ、「桐蔭はじめ甲子園組は別世界の人、とうちの生徒は見てます」と白木原は笑っていた。

 彼らのような公立校の選手が、強豪私学との差を少しでも埋められないか。その手段として存在するのが、磯岡たちが構想するスーパー大連合である。藤田はそのデザインについて、このように語る。

「平日は各学校の個人練習、週末など拠点校に集まる時は、レベルをカテゴリー別に分けて指導カリキュラムを作るなど配置も工夫します。外部からの情報を入れることも可能ですし、甲子園を本気で目指したい選手は高野連登録して甲子園大会を目指すことができる。“こっちの連合でやりたい”と途中で変更するのも選択肢です。他にやりたい種目ができたら転向できるなど、目的にあった活動だと成長もできますし、柔軟性を持たせています」

 白木原も大連合に賛成だ。

「一緒に部活に所属するけど、各々で取り組む感覚は違います、大手前に当てはめると、初心者や“そこまで真剣にする気ないねん”という部員は軟式に流れるケースも多い。硬式も来年、新入生が入らなかったら他と合同でやらざるを得ない状況です。それなら、最初から連合を組んでもいいかなと感じています」

大連合の学校を選んだら、将来の人生設計をしながら

 白木原はメリットとして教師の働き方改革にもなると挙げてくれた。

「今の合同チームだと、どっちにも顧問が行かなあかんという状況です。大連合して顧問が増えれば、今日は休みます、って教員も言えるようになりますね」

 連合チームでは野球に特化しつつ、勉強と部活がさらに両立できる。それがゆくゆくは甲子園への道を開けくのでは——と白木原は期待を語る。

「今は“ごく普通の生徒”は甲子園を目指せない。でも大連合の学校を選んだら、将来の人生設計をしながら甲子園を目指せる部活もできると思いますし、前向きに活動できるんです」

 経済的な観点でも、意義を見出そうとしている。

【次ページ】 子供たちのために新しいことを始めようと

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