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「長嶋茂雄さんに憧れたけど、パワーがなくて…」元高校球児の井手らっきょが草野球でビートたけしと出会うまで「実は銀行員になりたかった」 

text by

甚野博則

甚野博則Hironori Jinno

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/09/26 11:02

「長嶋茂雄さんに憧れたけど、パワーがなくて…」元高校球児の井手らっきょが草野球でビートたけしと出会うまで「実は銀行員になりたかった」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

現在は熊本に住む井手。ビートたけしと交流を深めるきっかけになったのが野球だった

君の水谷豊は日本一だよ。とにかく来週また来て

――ものまね研究会はどこでものまねを披露していたんですか?

井手 その頃は漫才ブームで、『笑ってる場合ですよ!』(フジ系)が始まって、司会がB&B(島田洋七・洋八)さんで、ツービート(ビートたけし・きよし)さんとか、錚々たる人たちが出ていました。そうした中で、「ぼんちのものまねグランプリ」というのがあったんですね。そのオーディションを福岡でもやると。ものまね研究会には5、6人いたんですが、みんなで行こうということになった。当日、1人ずつネタをやったんですね。

――どんなネタをやったんですか?

井手 当時、『熱中時代』というドラマがあって、僕は一番のネタだった水谷豊さんのものまねをやった。そうしたら、『君の水谷豊は日本一だよ。とにかく来週また来て』って言われちゃって。それで翌週テレビ局に行くと、いきなり生放送の本番で、チャンピオンになっちゃったんです。そのチャンピオンから更に勝ち進んで初代のスーパーグランドチャンピオンにまでなったんですよ。それで、太田プロダクションにスカウトされて、大学を卒業したら所属してねとなった。加えて「もうレギュラー決まったから」と言われまして。ちょうど、大学4年生のときに、『笑っていいとも!』(フジ系)が始まったんです。

たけし「お前、野球やってたのか。じゃあ一緒にやろう」

――いいともの初期メンバーだったんですね。

井手 そう、それで大学を中退して23歳で上京。ものまね芸人として、正式に太田プロに所属したんです。そうしたら、そこにツービートがいたんです。たまたま同じ事務所に、ビートたけしさん、きよしさん、それに片岡鶴太郎さんなどもいて。同期で、『笑ってる場合ですよ』から出てきたツーツーレロレロ(東国原英夫、大森うたえもん)がツービートに弟子入りして、その後、少しずつ軍団が出来てきた。

――たけしさんとは当時どんなやりとりを?

井手 ある日、事務所でたけしさんが、「野球できるの誰かいねえか」って言って、「僕野球やってました」と。たけしさんが「お前、野球やってたのか。じゃあ一緒にやろう」と言ってくれて、プライベートで野球をやらせてもらうようになったんです。そのうちに、たけしさんが「お前もそろそろ軍団入れば」と言ってくれて。でも当時、事務所は僕をものまねのできる、アイドルっぽい爽やかなイメージで売りたかったみたいで……。

 <たけし軍団、阪神&ロッテ撃破編へ続く>

#2に続く
「大爆笑の中、村田兆治さんだけめちゃめちゃ怒って…」井手らっきょが明かす“たけし軍団vsプロ野球”「阪神には『勝てるかもしれない』と思っていました」

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