「大爆笑の中、村田兆治さんだけめちゃめちゃ怒って…」井手らっきょが明かす“たけし軍団vsプロ野球”「阪神には『勝てるかもしれない』と思っていました」

軍団はいいぞ、ぬるま湯だぞ

――たけし軍団の草野球に参加しながら、初期の芸能活動としてはアイドルっぽい爽やかなイメージで売りだしていたんですね。

井手　それが僕にはストレスで、たけしさんに「軍団は楽だぞ、いいぞ」なんて言われて嬉しかったですね。だけど、一度は、「もう少しちょっと自分で頑張らせてください」って言ったんです。松尾伴内なんかは、土下座しながら弟子入りを志願して軍団に入れてもらっているのに、自分だけ簡単に軍団に入るのは申し訳ないと思っていました。だけど、結局、自分で頑張ったものの鳴かず飛ばずで（笑）。

――たけしさんはその状況をどう見ていた？

井手　ある日、神宮外苑で野球の練習が終わってベンチにいるとき、たけしさんが「今から事務所行こう」っていうんですね。ユニフォーム姿のまま2人で四谷三丁目の事務所に行って、たけしさんが社長に「今日から軍団に入れるから」って言ったんですよ。その時、社長は「そういうキャラじゃないから、軍団とは違うんじゃないか」と言ったんですけど、「こいつはね。絶対化けるから」「とにかく俺に任せろ」って、無理やり僕を軍団に入れてくれたんです。たけしさんは「軍団はいいぞ、ぬるま湯だぞ」って言ってくれたんですが、最初の仕事は熱湯でした。

最初の仕事はまさかの熱湯風呂だった　©Takuya Sugiyama

すべての写真を見る（66枚）

たけし軍団の試合数は年間100試合を優に超えた

――たけしさんとの関係を深めたのも野球？

井手　そう、野球ですね。カージナルスっていうコンビ（ガダルカナル・タカ、つまみ枝豆）がいて、やっぱり野球で繋がって、彼らは僕より先に軍団に入りました。

　その頃から『ビートたけしのスポーツ大将』（テレビ朝日系）が始まったんですね。当時は年間に100試合を優に超えるくらい、めちゃめちゃ試合をやってました。

――どういう試合日程だったんですか？

【次ページ】　投手・金田、一塁・王、三塁・長嶋のチームと…