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「ドリームチームに勝つなんてバカげているって言われますけれど…」日本バスケが本気で“世界一”を目指すために仕掛けた30年後への投資
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2022/09/12 08:23
日本バスケの現在地を赤裸々に記した「テクニカルレポート2021」。発起人の東野強化委員長は「未来の宝物」だと語った
東野は、この先もオリンピック後に毎回テクニカルレポートを作成し、今回と同じように一般公開していきたいという。その時のオリンピックに出場できてもできなくても、オリンピックまでを一つの周期として記録し、公開する。それを読むことで、誰もが日本代表の進歩、変化を知ることができる。それを、コーチだけでなく、バスケットボールに関わる多くの人たちに読んでほしいのだという。
「4年に1回更新されるテクニカルレポートなら変化が見える。4年やって改善したプログラムの結果が、パリ五輪で出るじゃないですか。私、8年をひとつのくくりとして考えているんですけれど、8年、また8年、8年、8年と4回繰り返すことで、日本のバスケットが本当の意味で世界に台頭するような文化を作ることができるんじゃないかなと思っています。
日本って学ぶ人たちが多いので。改善プログラムによって、どんどんどんどんよくなっていくと思うんですね。世界の壁はいろんな意味でまだまだ厚いし高いし、だけど、考え方を一気通貫に、普及から発掘、育成、養成、強化、そしてハイパフォーマンスにつなげる一連の連携の接着剤になるものができたので、これからも4年に1回、これを続けていってもらいたいなと。
日本のバスケットボールはこれまで『アジアで勝てば』みたいな話になっていたんですけれど、そうでなくて、私は『世界一になるために何をするんだ』と考えていこうって言っているんです。簡単なことではないです。ドリームチームに勝つなんて、今でもばかげているって言われますけれど、やれることをちゃんと積み重ねていけば30年後に託していける、そういう大枠のシステム、大枠の戦略に乗って行けるんじゃないかなという思いがあるので。だから、テクニカルレポートは今の日本バスケットボールの現在地を赤裸々に語っている、未来の宝物です」
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