お手本はサッカー日本代表!? 日本バスケが200時間もかけて作った“東京五輪レポート”がスゴすぎる「一番懸念したのは“ミスの言及”」

　日本バスケットボール協会のウェブサイトで公開された「テクニカルレポート2021」は、日本代表のオリンピックでの戦いを振り返り、うまくできたことも、できなかったことも公に出すことで、日本のバスケットボール文化を築く道しるべにしようということで作られたレポートだ。

　もともと東野智弥（日本バスケットボール技術委員長）の頭の中にあったテクニカルレポートを、実際に形にしてまとめるために抜擢されたのが冨山晋司（JBAテクニカルハウス部会長）だった。bjリーグ、NBL、Bリーグでコーチとして経験を積んでいた冨山は以前から東野と交流があり、時に調べものを頼まれることもあった。その過程で調査能力を発揮したことがきっかけとなった。

「冨山くんには本当に、期待以上の働きをしてもらいました。彼の能力、文章力、構築力、アイディアはすばらしい。2人で温泉に入りに行って、こういうことを書いてほしい、こういうことを載せてほしいんだという話をしたのですけれど、どんなレポートを作りたいかという僕の意図をよくくんでくれました」

日本バスケットボール協会テクニカルハウス部会長・冨山晋司　©︎JBA

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参考にしたのはサッカー日本代表

　何しろ、その時点では東野の頭の中にあるだけで、参考になるようなひな型はバスケットボール協会にはなかった。そこで参考にしたのが、日本サッカー協会が作成したテクニカルレポートだった。JBA技術委員会の山本明が日本サッカー協会のテクニカルレポート担当者と連絡を取り、様々なアドバイスももらったことも大きな助けとなった。

　冨山は言う。

「いざ何をベースにするかってなったときに一番参考にさせていただいたのが、サッカーのテクニカルレポートでした。日本サッカー協会が2018年のFIFAワールドカップ後に作ったテクニカルレポートを手に入れることができたので、大会全体を総括する資料として、こういう感じなんだっていう全体像がつかめた。データとともに文章化されたもので、プレゼンして発表する人がいなくても理解できる資料っていう意味では、確かにこういう形があるべき姿なのかなと思い、作り始めました」

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