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「横浜反撃」の“キーマン”DeNAソト、復調のきっかけは4kg減量と…「来日1年目のやり方に戻した」「石井(琢朗)コーチの存在が大きい」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySankei Shimbun
posted2022/08/29 11:03
8月19日、ダメ押しの3ランを放つソト。不振だった昨季までと今季の変化について質問すると…
「交流戦のときDHが多く守備につく機会が少なかったこともあり、ちょっと体重が増えてしまったんです。交流戦が終わったとき、トレーナーと相談して体重を管理することになりました。4㎏ほど減量したんですが、それにより体のキレが生まれて、バッティングの状態が上がりましたね」
たしかに昨今、ソトのバットの操作性は上がり、ゾーン内はもちろん両サイドの低めへの対応も柔軟になっている。ちなみにバットの種類や重さは以前と変わりがないという。
8月19日の広島戦(横浜スタジアム)で、ソトは8回裏、ターリーからダメ押しとなる3ランを放っており、試合後「スライダーを狙っていたわけではないが、しっかり振り抜くことができた」とコメントを残している。内角低めの変化球をコンパクトに捉えたわけだが、ここにソトの変化が見て取れる。
勝つためなら何でもするといった姿勢は本当にリスペクト
不振だったこの1~2年を振り返りながらソトは語る。
「去年、一昨年は変化球を投げられることが多く、そこにかなり意識を置いてバッティングを作り上げてきたのですが、それが合っていなかったことに気づいたんです。現在は、基本ストレート待ちで、変化球に対応していくスタイル。つまりアメリカ時代と同じというか、日本に来て1年目のやり方に戻したのが功を奏していると思います」
このソトの変化にヒントを与えたのが、今季から就任した石井琢朗野手総合コーチだ。過去、他球団のコーチとしてソトを見てきた石井コーチにとって、本塁打王の打棒復活は得点力アップにおいてテーマのひとつであったという。春季キャンプのときから現在に至るまで、練習中に石井コーチとソトが長い時間をかけて、構えたときのトップの位置やバットの引き方、出す角度についてコミュニケーションをとっている姿がよく見られる。
「たしかに石井コーチの存在は僕にとって大きいですね。練習前に取り組んでいるルーティンやドリルは石井コーチが提案してくれたものをやっていますし、言われることすべてが僕の力になっています。スイングのタイミングや対戦ピッチャーへの準備の仕方、プランなど密にコミュニケーションがとれていますし、なにより石井コーチが誰よりも勝ちにこだわりを持っているというか、勝つためなら何でもするといった姿勢は本当にリスペクトしています」
ソトにとって欠かせない存在となりつつある石井コーチ。初来日のときからソトをサポートしてきた天野祥通訳は、石井コーチとの関係を次のように教えてくれた。