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「横浜反撃」の“キーマン”DeNAソト、復調のきっかけは4kg減量と…「来日1年目のやり方に戻した」「石井(琢朗)コーチの存在が大きい」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySankei Shimbun
posted2022/08/29 11:03
8月19日、ダメ押しの3ランを放つソト。不振だった昨季までと今季の変化について質問すると…
「チームメイトとは、ほとんど通訳いらずで日本語と英語で会話をしていますね。若手の中心である牧選手はもちろん、試合中は森(敬斗)選手に『あのプレーはこうした方が良かったよ』とアドバイスを送ったり、またルーキーの梶原(昂希)選手など、まんべんなく若手選手たちに声を掛けています。本人はベテランとは言われたくないみたいですけど、そういった自覚や意識は強いと思います」
この話を聞いて、すぐ思い出したのが2020年までDeNAに所属していたホセ・ロペスのことだ。精神的支柱としてチームの中心に鎮座し、若手の面倒を見ていたロペス。ソトは3年間、ロペスとともにプレーし、多くのことを学んだ。そんな尊敬すべき偉大な先輩の姿を見ていたからこそソトもまた、この若いチームを内から支えたいと考えているのだろう。
もうひとつの目標、ファーストでゴールデングラブ賞
今季はチャンスに強いバッティングでチームの勝利に貢献することが目標なのは間違いないが、じつはもうひとつ、ソトが目指しているものがある。
それはファーストで自身初となるゴールデングラブ賞を獲得することだ。ソトはオフに目標を定め準備を始めると、春季キャンプから今日に至るまで田中浩康内野守備走塁コーチと特訓を行い、その成果もあって12球団のファーストにおいて守備率とUZR(守備指標)でトップクラスの数字を残している。
打撃、守備、そしてコミュニケーション。ソトはチームのため、やれることをすべてやるつもりだ。エンディングへ向け今後さらに厳しさを増し、日程的にもシビアな戦いが連続するDeNAのペナントレース。しかしソトはひるむことなく言うのだ。
「僕としては好調の状態を最後までキープすること。何度も言うけど、大事なのは一人ひとりが自分の役目をまっとうすることなんだ。それができるチームだと信じているよ」
勝負強さと人間性を兼ね揃えたチーム自慢の長距離砲。24年ぶりのリーグ優勝も決して夢物語ではなくなってきたDeNAの今後を占うキーマンであるソトのさらなる爆発に期待せずにはいられない。
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