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ソン・フンミンと日本人プレミアリーガーの意外な接点… 吉田麻也への「誇り」と“岡崎慎司の予言”とは〈得点王の現地リアル評〉 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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photograph byTottenham Hotspur FC/Getty Images

posted2022/07/13 17:01

ソン・フンミンと日本人プレミアリーガーの意外な接点… 吉田麻也への「誇り」と“岡崎慎司の予言”とは〈得点王の現地リアル評〉<Number Web> photograph by Tottenham Hotspur FC/Getty Images

2021年9月、ノースロンドンダービーでのソン・フンミンvs冨安健洋のマッチアップ

「欧米の選手に比べ、アジア人選手は高さや強さといった身体能力でアドバンテージが少ないと言われてきた。CBやGK、FWのポジションはその傾向が顕著だが、ソンは見事に覆した。彼はプレミアでもスピードや加速力、持久力でトップクラスの身体能力を誇る。もはや、誰も彼のことをアジア人の枠組みでは見ていない。プレミアのトップクラスの選手として見ている。得点王に輝いたことは、アジアサッカー界にとっても非常に重要だ」と評価した。

 その一方で得点王のソンが、PFA(プロサッカー選手協会)年間最優秀選手賞の候補から外れたことが物議を醸した。イングランドとウェールズの92クラブに所属する選手の投票によって決まる栄えある賞だが、6名の受賞候補にノミネートされなかった。

 予想外の不選出について、アスレティックは「クラブやサポーターから絶大な評価を得ているが、英サッカー界は過小評価している」と指摘。英衛星放送スカイスポーツのベン・グランズ記者も年間最優秀選手にソンを推した上で、「29歳の韓国代表が、活躍に相応しい評価を得ていないのは驚きしかない。世界トップクラスのパフォーマンスを見せている。欧州のどのクラブにいても活躍できる」とし、PFA年間最優秀選手の候補から外れたことに疑問を投げかけた。

岡崎「やっぱり“一発”を持っているというのが」

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 そんなソンに対し、リスペクトの眼差しを向けていたのが、同じアジア人の岡崎慎司だった。

 シュツットガルトとマインツに在籍していた岡崎は、同様にドイツでプレーしていたソンと仲が良く、「いい選手だし、いい人」との印象を抱いていたという。その後、2人はプレミアリーグに揃って上陸。レスター在籍時の2018年、岡崎はトッテナム所属のソンについて次のように語っていた。

「やっぱり“一発”を持っているっていうのが、個人的にはすごいなと思う。あのレベルに達しているアジア人は彼しかいない。ここ何年かは、彼がアジアのトップかなと思っている。プレミアリーグで結果を出し続けているのが凄い。すごく若いわけではないが、あの年齢で経験を積み重ねている。(18年の時点で)彼はドイツとプレミアで100ゴールを記録しているけど、僕はその半分に満たない。アジアレベルを越えている選手だと思う」

 岡崎はレスターでのリーグ優勝の功績が讃えられ、2016年に「アジア版バロンドール」と呼ばれる「ベスト・フットボーラー・イン・アジア」を受賞した。それ以降の2017年から5年連続で栄冠に輝いているのがソンだ。しかも、今季プレミア得点王に輝いたことで、2022年度の受賞も確実視されている。

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