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オリンピックPRESSBACK NUMBER
平野歩夢“あの2本目”不可解採点…北京五輪・日本人ジャッジが初めて明かす“審査員たちが話していたこと”「僕は平野選手を上にしましたが…」
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2022/05/01 17:03
平野歩夢が金メダルを獲得した北京五輪・スノーボード男子ハーフパイプ。日本人審判として採点を行った橋本涼氏が初めてメディアの取材に応じた
疑惑の2本目…橋本氏は“スコッティ93、平野95”
まずは、スコッティ・ジェームズの2本目(12人中11番目滑走)のランについて。彼が繰り出した5つのトリックの内訳はこのようなものだった。
1:スイッチ・バックサイド1260
2:キャブ・ダブルコーク1440
3:フロントサイド900
4:バックサイド1260
5:フロントサイド・ダブルコーク1440
橋本氏はスコッティに93点をつけた。その理由は、「高さはそこそこあり、技のバラエティという面では異なる4方向の全てに回している。全体の完成度も非常に高かった」というものだ。他の5人のジャッジは92点、93点、94点、91点、92点。この中から91点と94点がカットされ、スコッティのスコアは92.50点となった。
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続いて、最終12番目に滑った平野の5つのトリックの内訳を挙げるとこのようになる。
1:フロントサイド・トリプルコーク1440
2:キャブ・ダブルコーク1440
3:フロントサイド・ダブルコーク1260
4:バックサイド・ダブルコーク1260
5:フロントサイド・ダブルコーク1440
なんと言っても評価が高いのは、五輪史上初の「フロントサイド・トリプルコーク1440」をメークしたことと、そこから2つ目のキャブ・ダブルコーク1440へ初めてしっかりとつなげたことだった。平野は北京五輪前の「X Games」や「DEW TOUR」でもトリプルコークをメークしていたが、ランディング(着地)で失速するなど、完璧ではなかった。そこで橋本氏は、スコッティにつけた93点より高い、95点をつけた。