スノボ採点時間「45秒」は誰のため？ 平野歩夢がショーン・ホワイトに負けた平昌…“リプレー映像”を見た審判員は「点を入れ替えたいと」

平野歩夢「審判がどこを見ていたのかを聞くべき」

　2022年2月、北京五輪のスノーボード男子ハーフパイプで悲願の金メダルを手にした平野歩夢は、右手を掲げて歓喜に浸った。しかし、逆転優勝を決めた3本目のランと同じルーティンで構成した2本目の得点が伸びなかったことに対しては、ハッキリと疑問を呈し、改善を訴えた。

「僕の採点だけでなく、スノーボードの採点の基準として、審判がどこを見ていたのかという説明を聞くべきだと思う。スノーボードは自由にいろいろなスタイルがあるところが格好良さのひとつだが、競技の部分では高さ、グラブ、そういうものを測れるように整えていくべきだと思う。命を張ってやっている選手のために、そこは整理させた方がいい」

©Naoya Sanuki／JMPA

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　オリンピックチャンピオンからも異論が出た採点方法。今回の北京五輪の現場で実際にジャッジを務めたFIS（国際スキー連盟）公認審判の橋本涼氏はどのように考えているのだろうか。

「今後のスノーボード界のことを考え、ジャッジの立場からFISに対して『もっとこうするべき』という意見を伝える必要があると思っています」

　橋本氏は平野が公の場で意見を発したことも受け止めつつ、そのように語った。

採点時間「45秒」の問題

　スノーボードの審判はジャッジルームで選手の滑りを見た後、気になる箇所があればモニターでリプレーを見ることができる。しかし、大会ではテレビ放映の時間内に試合を納めることが優先されるため、採点のための十分な時間が与えられていないのが現状だ。ハーフパイプで言えば、選手が滑り終えてから採点を出すまでの時間は45秒程度しかない。

　実は、北京五輪では男子ハーフパイプ決勝の4日前の2月7日に行なわれた男子スロープスタイルの決勝でも、疑惑の採点があった。「シャオミン」の愛称で知られる地元中国の蘇翊鳴（スー・イーミン）を抑えて金メダルを獲得したマックス・パロット（カナダ）に対する採点が誤審だったのではないかという疑惑だ。

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