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「日本の教育重視を加味して…」元バルサの名手が母国ブラジルで運営 育成クラブ急成長のヒミツ〈“元U-14日本代表”の18歳も所属〉 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byFC Ska Brasil

posted2022/03/16 06:00

「日本の教育重視を加味して…」元バルサの名手が母国ブラジルで運営 育成クラブ急成長のヒミツ〈“元U-14日本代表”の18歳も所属〉<Number Web> photograph by FC Ska Brasil

バルサやブラジル代表などで存在感を発揮したエジミウソン。現在取り組んでいることと日本サッカーへの提言を聞いた

「グループを2位で突破。次の試合でPK戦の末に敗退したが、よく頑張ってくれた」

――右ウイングのガブリエルが4試合で4得点と活躍し、注目されました。

「彼はスピードがあり、独特のリズムのドリブルで相手を抜き去って、強烈なシュートを放つ。将来がとても楽しみな選手だ」

U-20でナンバー10の「ショーマ」とは何者?

――プロ契約をした日本人選手がいると聞きました。

「昨年、U-20で背番号10を付け、トップ下でプレーしたショーマ(甲斐翔大、18)とプロ契約を結んだ。ガブリエルらと一緒に今年のコパ・サンパウロに出場する予定だったが、就労ビザが出るのが遅れて選手登録が間に合わなかった。すでにビザは下りており、今年はU-23の公式戦でプレーする」

――彼の長所と課題は?

「小柄だがテクニックがあり、視野が広い。フィジカル強化が課題だったが、この一年でかなり強靭になっている。潜在能力は素晴らしい。U-23では最年少だが、自信を持ってプレーしてもらいたい」

日本のボランチ、DFの物足りない要素とは

――練習生もいると聞きました。

「ショーゴ(丸山将吾、17、MF・SB)。彼も技術レベルが高く、将来が楽しみな選手だ」

――現役時代、あなたはボランチ、CBとして活躍しました。日本人DFとブラジル人DFの違いをどう考えますか?

「ブラジル人は身体能力が高く、技術もある。相手選手との駆け引きにも長けている。日本人DFも、優れた技術を持つ者が多く、近年は優れた体格を持ち、身体能力も高い選手が出てきた。欧州で活躍するボランチ、CBが増えているのがその何よりの証拠だ。ただ、日本人は組織として守る意識が強いせいか、『自分がボールを奪い取るんだ』というアグレッシブな気持ちが物足りない」

――若い選手を育てるのは楽しいですか?

「ああ、とても楽しいよ。自分たちが選抜し、手塩にかけて育てた若者が成長し、素晴らしいプレーをするのを見るのは大きな喜びだ。今後、ビッグクラブのトップチームで活躍する選手が出てくるのを心待ちにしている」

◆ ◆ ◆

 かつてバルセロナで欧州の、ブラジル代表で世界の頂点に立った男は、現在の仕事に大きなやりがいを感じているようだった。

 後編では、スカ・ブラジルの18歳の日本人選手、甲斐翔大にインタビューした内容をお届けする。彼は、実は日本のフットサルのレジェンドの息子だった――。<後編に続く>

#2に続く
“元U-14日本代表”甲斐翔大18歳がブラジルでプロに! 「1年で体重が6kg増えました」“日本式練習との違い”とは?

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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