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「若い世代がサッカーを90分見るのが難しくなったと…」 マンCとマリノスの日本法人に“eスポーツにガチな理由”を聞いた 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byJan Kruger-UEFA/Getty Images

posted2022/03/13 17:03

「若い世代がサッカーを90分見るのが難しくなったと…」 マンCとマリノスの日本法人に“eスポーツにガチな理由”を聞いた<Number Web> photograph by Jan Kruger-UEFA/Getty Images

世界最強クラブの1つであるマンチェスター・シティ。CFGグループもeスポーツ開拓に熱心だ

中村 はい、そういう認識でいいと思います。それぞれの違いを言うと、eW杯は出場要件を満たした方であれば、世界中から誰でも参加できる個人戦です。

 eクラブW杯は2人1組が対戦するもので、チームがないと参加できません。

 eネーションズカップは、いわゆる各国の代表同士の大会。たとえばサッカーe日本代表になるには日本サッカー協会から選ばれないと出場できません。とはいっても、これまでは毎週の試合や大会のポイントによって選ばれているので、選出は公明正大です。

 私たちブルーユナイテッドeFCからも現在1人が日本代表に選ばれており、本大会に向けた予選に出場しています。

認知度向上を目的としたマーケティングツールとしても

――2021年eクラブW杯の出場チームを見ると、マンチェスター・シティ、シャルケ、バーゼルといった名門サッカークラブもあれば、中村さんのブルーユナイテッドeFCのように純粋なeスポーツチームもありますね。どんな背景があるのでしょう。

中村 チームを持つ目的が、大きく2つに分かれて来ていると思います。1つは競技として、徹底的に勝利を追求するという目的。eクラブW杯で優勝して、優勝賞金を狙うという感じです。

 もう1つはマーケティングツールとして、自分たちのチームの認知度を上げるというもの。今までリーチできていなかったファン層に対して、接点を持つという目的ですね。

――そういう中、CFGとブルーユナイテッドが提携したのは、どういう狙いがあるのでしょうか。

利重 双方それぞれの目的があると思うので、私からはCFGからの視点でお話ししましょう。

 一番の目的はZ世代を中心とした若いファン層の獲得ですね。若い世代が試合を90分見るのが難しくなっていると言われており、サッカーの歴史があるイングランドなどの国でも、若い世代に圧倒的に人気のあるゲームの世界に参画することが必須であると考えられ始めています。

 CFGでは各クラブがeスポーツに力を入れています。たとえばマンチェスター・シティ、ニューヨーク・シティ、メルボルン・シティ、ムンバイ・シティは、それぞれeスポーツチームを持っていますし、(グループ内の)スペイン2部のジローナやウルグアイのモンテビデオにも選手がいます。

 マンチェスター・シティは中国でもチームを設立し、テンセントが運営するリーグに参加しています。

 CFGとしては日本でもチームを持ちたいけれども予算の縛りがあるなかで、ブルーユナイテッドeFCという非常に強力なチームが出てきたじゃないかと。幸い『レッド』 ではなくブルーということで、提携させて頂きました。

「アジア王者になってもドメスティック感が……」

――ブルーユナイテッドとしての狙いは?

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