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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
FIFAとウイイレの二刀流も? eスポーツ内ではマイナーなサッカーゲームだけど…“3つの魅力”とは〈フォートナイトは人口3億5000万人〉
posted2022/03/13 17:04
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Press Association/AFLO
サッカーはスポーツの中で、最も人気のある競技のひとつだろう。
FIFAによれば、ロシアW杯決勝の視聴者数は約11億2000万人だった。これは今年のスーパーボウルの視聴者数1億1230万人の約10倍の数字である。
しかし、ゲーム業界となると話は別だ。
世界的人気ゲーム『フォートナイト』のプレーヤー人口が3億5000万人を突破したのに対し、サッカーゲーム『FIFA 20』は発売から1年の段階で3500万人だった。
2019年に開催されたフォートナイトW杯のソロ部門の優勝賞金は300万ドルだったのに対し、同年のFIFA eワールドカップ(以下、eW杯) の優勝賞金は25万ドル。人気も賞金も1桁違うのが現実である。
ただし見方を変えれば、eスポーツにおけるサッカーには大きなのびしろがあるということだ。
今年1月、シティ・フットボール・グループ(以下、CFG)とeスポーツチーム「ブルーユナイテッドeFC」が提携を結び、新たな試みを始めた。
このデジタルとコロナの時代に、サッカークラブは何をすべきか? CFGジャパン 代表の利重孝夫と、ブルーユナイテッド代表の中村武彦に話を聞いた。
サッカークラブが『フォートナイト』のチームを持つ
――サッカー界でeスポーツ熱が高まっていますが、サッカーゲームは他のゲームと比べるとまだまだ市場規模が小さいですね。どう見ていますか?
利重 そこはCFGとしても考えているところで、たとえば去年、マンチェスター・シティFC(以下、マンチェスター・シティ)は『フォートナイト』のチームを立ち上げました。eスポーツのサッカーを大切にしつつ、そのうえで他のゲームにも手を広げたんです。
――調べたところ、ウォルバーハンプトン、モナコ、シャルケもサッカー以外のeスポーツチームを持っていました。ヨーロッパでもまだ少数派のようですね。
利重 またマンチェスター・シティは2019年に、世界的な人気を誇るeスポーツチーム「FaZe Clan」と提携しました。両者のブランドを生かして新たなコンテンツを開発し、双方から新しいファンを獲得するのが目的で、たとえば共同でアパレルを作って販売したりしています。
eスポーツにしっかり入っておかないと、将来ある世代だけがファン層からぽっかり抜けてしまうリスクがある。リスクを減らすという意味でも、サッカーをベースに他のeスポーツにもしっかり投資をするべき、というのがCFGの考え方ですね。
――サッカークラブが人気シューティングゲームのチームを持つ。すごい時代になってきましたね。