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「若い世代がサッカーを90分見るのが難しくなったと…」 マンCとマリノスの日本法人に“eスポーツにガチな理由”を聞いた

posted2022/03/13 17:03

 
「若い世代がサッカーを90分見るのが難しくなったと…」 マンCとマリノスの日本法人に“eスポーツにガチな理由”を聞いた<Number Web> photograph by Jan Kruger-UEFA/Getty Images

世界最強クラブの1つであるマンチェスター・シティ。CFGグループもeスポーツ開拓に熱心だ

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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Jan Kruger-UEFA/Getty Images

国内外問わず、サッカークラブのeスポーツ進出が目立っている。マンチェスター・シティや横浜F・マリノスを擁する世界最大級のグループのキーパーソンに、その現状について聞いた(全2回/#2も)

 ヨーロッパのサッカーシーンにおいて、eスポーツが急速に身近なものになっている――。熱の高まりはこんなニュースからも伝わってくるだろう。

「FIFA eワールドカップ王者が指を骨折。復帰はいつ?」(ドイツ・taz紙)

 新型コロナ蔓延のためにここ2年間はFIFA eワールドカップ(以下、eW杯)は開催されておらず、現王者は2019年大会で優勝したドイツ人のMoAuba(本名:モハメド・ハルコス)だ。

 MoAubaは自分でもボールを蹴るアマチュアサッカー選手でもあり、昨年11月、ドイツ9部の試合で指を骨折してしまった。そのためしばらくゲームができないことをインスタグラムで報告したところ、メディアで大きく取りあげられたのである。

熱の高まり具合は、仕様変更に伴う場外戦からもうかがえる

 この世界王者は何かとお騒がせで、今年2月のeW杯予選の直前には、ゲーム会社を痛烈に批判した。サッカーゲーム『FIFA 22』の機能が大幅アップデートされ、速いグラウンダーのパスがブロックされると相手ボールになりやすいように修正されたからだ。

「大会2日前に変更されたら、練習してきた努力がすべて無意味になってしまう。これではeスポーツ選手という職業は成り立たない」

 それに対してヘルタ・ベルリンのeスポーツプロジェクト責任者が「だったら他の仕事に転職すれば?」と口撃。一般のゲーマーたちも「負けたときの言い訳では?」とSNSに投稿し、場外戦がヒートアップした。

 サッカーの本場ヨーロッパで、何が起こっているのか?

 今年1月、マンチェスター・シティFC(以下、マンチェスター・シティ)などを擁するシティ・フットボール・グループ(以下、CFG)と、FIFA eクラブW杯の東アジア部門王者「Blue United eFC(以下、ブルーユナイテッドeFC)」の提携が発表された。

 マルチクラブ経営組織×eスポーツチーム。従来のサッカー界では想像もできなかったコラボレーションだろう。

 CFGジャパン代表の利重孝夫とブルーユナイテッド(「ブルーユナイテッドeFC」の運営母体である国際スポーツビジネスエージェンシー)代表の中村武彦に、eスポーツの最新事情を聞いた。

サッカー界の主要ゲーム大会は3種類

――まずは基本的なことから教えてください。サッカー界の主要なゲーム大会は、eW杯、eクラブW杯、FIFA eネーションズカップの3つと考えてよろしいでしょうか?

【次ページ】 認知度向上を目的としたマーケティングツールとしても

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