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廃部報道に「選手はみなショックを受けました」ラグビーW杯躍進にも貢献した宗像サニックスブルースとはどんなチームだったのか 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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posted2022/02/25 11:02

廃部報道に「選手はみなショックを受けました」ラグビーW杯躍進にも貢献した宗像サニックスブルースとはどんなチームだったのか<Number Web> photograph by JRLO

廃部の可能性を報じられた宗像サニックスブルース。昨季限りで廃部したコカ・コーラレッドスパークスに続き、またしても九州のチームが岐路に立たされた

 1994年に創部すると、翌年にはジェイミー・ジョセフとグレアム・バショップという現役オールブラックスのビッグネームを招いて強化。大学ラグビーで活躍したスター選手は不在ながら、旧トップリーグでも独特の展開ラグビーで上位をかき回し、最高成績は2009年度の7位。2015年W杯の南アフリカ戦で劇的逆転サヨナラトライを決めたヘスケスも、その試合で司令塔を務めたSO小野晃征(当時はサントリー所属)もサニックスで育った。

 限られた選手資源をフル活用してユニークな展開ラグビーを作り上げた藤井雄一郎監督は、日本代表HCについたOBのジェイミー・ジョセフをナショナルチームディレクターとして支えた。列島を興奮の渦に巻き込んだ19年W杯での日本代表の快進撃は、サニックスなくしてありえなかった。

 だが、コロナによる経営環境の悪化は、スポーツ活動の継続に耐えられる状況ではなかったのだろう。昨年の段階で強化の縮小が発表され、19年W杯日本代表のLOジェームス・ムーアやWTBレメキ ロマノ ラヴァはチームを離れた。

 リーグワンで3部に振り分けられたことも痛手だった。各チームが事業化し、稼げる構造に改革しようと船出したリーグワンだったが、母体の小さなチームに変革期を乗り切る体力はなかったのかもしれない。

 では、ブルースというユニークで魅力的なチームは消滅するしかないのだろうか?

まるごと買収も不可能ではない?

 ラグビーは長い間、企業スポーツの枠の中で活動してきた。チームの活動は企業の広告宣伝やCSR(社会貢献)の業務と位置づけられ、一般社員と同じ職場に配属されながらフルタイムで競技に専念する選手も珍しくなかった。半面、母体企業の業績が悪化したり、トップの交代や外資の導入などで廃部や活動縮小の決断が下された場合、チームを会社から切り離して存続することは難しく、プレーを続けたい選手は仕事をやめるしかなかった。

 だがサニックスはトップリーグの中でも異色の、ほとんどがプロ契約選手のチームだ。まるごと買収する相手を見つけることも不可能ではなさそうに思える。仮に買収したなら、四半世紀の歴史を紡ぎ、日本と世界のラグビーに貢献してきた歴史と、そのチームを応援してきたファンの思いも手に入れることが出来る。

 このご時世でホワイトナイトはおいそれとは現れないだろうが、チームはすでに歴史と資産を持っている。お買い得だ。

【次ページ】 “九州連合軍”の可能性は?

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