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ガーナで宣教師をしていたトンガの青年が日本ラグビーで覚醒中! “秘密兵器”オペティ・ヘルが悩む「代表ジャージー」への質問

posted2022/02/18 11:01

 
ガーナで宣教師をしていたトンガの青年が日本ラグビーで覚醒中! “秘密兵器”オペティ・ヘルが悩む「代表ジャージー」への質問<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

抜群の存在感を放つクボタスピアーズ船橋・東京ベイのPRオペティ・ヘル。右は日本代表で、同じトンガ生まれのヘルウヴェ。同じ姓だが親戚ではないという

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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Nobuhiko Otomo

「大声禁止」というマナーがラグビー観戦に求められているから何とか我慢している。

 それがなかったら、スタジアムには「うおー」だの「うぎゃー」だの「ぐわあ」だの、再現困難な声が渦巻いていたに違いない。

 そんな妄想を抱かせるのが、クボタスピアーズ船橋・東京ベイで右プロップとして出場するオペティ・ヘルだ。1998年、トンガ王国生まれの23歳。体のサイズは190cm、127kg。

 1週遅れの開幕となった1月15日のシャイニングアークス浦安戦では前半、ディフェンスでオーストラリア代表No.8リアム・ギルに絡むジャッカルでノットリリースザボールのペナルティを奪い、続く22日の神戸コベルコスティーラーズ戦ではPR中島イシレリ、CTBラファエレ ティモシー、HO平原大敬、LO張碩煥に重量級のタックルを浴びせてはそのままボールを奪って突進、あるいはそのまま倒した相手を乗り越えてペナルティーを獲得する。

 3戦目のグリーンロケッツ東葛戦ではアタックのポテンシャルを披露。高速移動でBKラインの間に走り込み、ボールを持てば豪快に突進しながら巧みなオフロードパスを放ってトライをアシスト。初めてのベンチスタートとなった4戦目の横浜イーグルス戦では、後半19分にピッチに入るや、短い出場時間ですべてのエネルギーを使い尽くす勢いで攻守にフル回転。

 ボールを持てば相手タックルを引きつけ、押しのけ、なぎ倒して突進し、パスを放つ。23歳の怪物FWは、試合を重ねるごとに明らかにステージを高めている。

 いったい何者なんだ? ――多くのファンがそう思っただろう。記者も同じだ。2月上旬、オンラインでそのストーリーを聞いた。

父、母、5人の姉もラグビーをしていた

 オペティはトンガの首都ヌクアロファのあるトンガタプ島で、6人姉弟の末っ子として生まれた。上の5人はすべて姉だった。従兄弟、父、母、姉がみなラグビーをしていたことから、「たぶん11歳の頃に」ラグビーを始めた。

 16歳のとき、奨学生としてオーストラリア・シドニーにあるニューイントン・カレッジへ留学する。同校はトンガの名門校トゥポウ・カレッジと姉妹校で、学生や教員の交換交流を続けていたことから実現した。

「僕が通っていたのはリアホナという別のカレッジだったけど、父がニューイントンの卒業生だったこともあって」

【次ページ】 才能開花も、高校卒業後はガーナへ

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