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エキサイティングなバトルが増える! 2022年F1の大幅なレギュレーション変更で勢力図に変化はあるか?《カーナンバー1が復活》 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool

posted2022/02/25 06:00

エキサイティングなバトルが増える! 2022年F1の大幅なレギュレーション変更で勢力図に変化はあるか?《カーナンバー1が復活》<Number Web> photograph by Getty Images / Red Bull Content Pool

バルセロナのテストで2022年型マシンにカーナンバー「1」をつけて走ったフェルスタッペン。ノーズの「H」マークはなくなった

 なぜF1はレギュレーションを大きく変えたのか。その理由は、接近したレースをもう少し増やすためだ。昨年までのF1マシンは安全性を向上させるため、コーナーリングスピードを落とそうと、空力にさまざまな制限を課していた。そのため、前車に近づくと乱気流に巻き込まれてオーバーテイクしにくくなり、安全性は高まったがエキサイティングではなくなっていた。

 車体の強化が進み、ドライバーの頭部を保護するヘイロー(Halo)など安全装置も導入。安全性が向上したF1において、国際自動車連盟(FIA)は、安全性を阻害しない範囲でレースをよりエキサイティングにする方向でレギュレーションを見直した。その中で注目すべきは、これまでフラットだったマシン底面に代わって、トンネル形状のフロアが導入されたことだ。

 F1ではかつて1970年代後半から80年代初頭にかけて、マシン底面の形状を工夫して巨大なダウンフォースを発生させるグラウンドエフェクトカーが席巻していた歴史がある。しかし、コーナーリングスピードが上がりすぎるマシンに対して安全性が追いつかずに悲劇が相次ぎ、83年から「前輪後端より後輪前端までの部分の車体下面は平面でなければならない」とするフラットボトム規定が施行され、グラウンドエフェクトカーは姿を消していた。

 今回のレギュレーション変更は、かつてのグラウンドエフェクトカーとは同じではないが、F1の歴史を振り返れば、大きな転換点であることには違いない。

2009年以来の地殻変動

 21年にドライバーズチャンピオンを獲得したレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、こう語る。

「これは09年以来の大変更だ」

 F1は09年にもレギュレーションを大きく変更。前年チャンピオン争いを演じたマクラーレンとフェラーリは低迷し、代わってタイトル争いを演じたのがレッドブルとメルセデスの前身であるブラウンGPだった。

 バルセロナ合同テストの初日にトップタイムをマークしたのは、マクラーレンのランド・ノリス。フェラーリのシャルル・ルクレールが2番手につけた。

 歴史が繰り返され、レッドブルとメルセデスによる二強時代に変化が訪れるのか。それともカーナンバー1 をつけたフェルスタッペンと8冠を目指すハミルトンによる続編が見られるのか。あるいは新たな歴史の扉を開く別のチームが出てくるのか。

 22年のF1は、新しいマシンとともに未知の領域に向かって走りはじめる。

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