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《競馬10大ニュース》ソダシブームにBC初優勝、名馬の引退に横山武史の大躍進も…“ビッグニュースだらけ”だった2021年を振り返る
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byPhotostud
posted2022/01/07 17:02
今年大躍進を遂げた横山武史騎手と、5年連続のリーディングとなったクリストフ・ルメール騎手
2021年の競馬界「トップ3」のニュースは?
3位 ラヴズオンリーユー、BCなど海外3勝
ラヴズオンリーユーがグローバルな活躍を展開した。日本では19年のオークスが唯一のGI勝利という彼女だが、昨年は香港でクイーンエリザベスII世カップ(GI)と香港カップ(GI)を、また、アメリカではブリーダーズCフィリーアンドメアターフ(GI)を優勝。日本調教馬として史上初めて1年間のうちに海外GIを3度も制すという偉業を成し遂げてみせた。
GI実績に劣るマイシスターナットやヒシイグアスが2着した事からSNSを中心に「相手に恵まれた」という声も上がったそうだが、大陸を渡り歩きながら勝利するのが偉業である事には疑いようがない。そもそもそのようなトライをしなければ掌中におさめられない成果であるのは間違いなく、そういう意味で矢作芳人調教師とそのスタッフの努力は高い評価を受けて良いだろう。
2位 世界のダート戦線で1、2着
まずは春、チュウワウィザード(牡、栗東・大久保龍志厩舎)がドバイワールドカップ(GI)で2着に好走した。オールウェザー時代はヴィクトワールピサが優勝した事もある同レースだが、ダート戦としては01年のトゥザヴィクトリー以来となる日本調教馬の連対。芝は中距離戦を中心に日本馬が充分に世界の舞台で渡り合える時代になったが、ダート戦となると話は別。世界の壁の高さと厚さに弾き返されるケースがほとんどだっただけにこの好走には驚かされた。
しかし、その約7カ月後、私達は更に驚かされる事になる。アメリカのブリーダーズCディスタフ(GI)に挑戦したマルシュロレーヌ(牝、栗東・矢作芳人厩舎)が大仕事をやってのける。北米の強豪を相手に見事に優勝。ダートの本場アメリカで、牝馬同士といえダートを舞台としたブリーダーズCを制したのは偉業中の偉業。個人的にはこの一発で21年のJRA賞最優秀ダート馬に選定して良いと思っている。それくらい大きな価値のある勝利だった。
いずれにしろダート戦線での度重なる日本調教馬の好走は日本馬のレベルの向上を感じさせるモノであった。
1位 横山武史騎手、大躍進
先述した通りエフフォーリアは3つのGIを制したが、その手綱を取ったのは全て横山武史騎手。デビュー5年目で12月に23歳になったばかりの彼だが、他にもタイトルホルダー(牡、美浦・栗田徹厩舎)での菊花賞、キラーアビリティ(牡、栗東・斉藤崇史厩舎)でのホープフルSとGIを計5勝。年間の勝利数も自身初めて三桁にのせる104勝を記録し、2年連続での関東リーディングに輝いた。
またJRAの通算勝利数も、年頭に200に乗せたばかりか、年末には300勝を達成してみせた。
名手・横山典弘騎手の三男という血筋が一気に花開いた感じで、今年は更に数字を伸ばし、全国リーディング争いに食い込んでくれる事を願いたい。
他にも熊沢重文騎手の障害最多勝記録更新、武豊騎手のGIコンプリート王手、福永祐一騎手の2年連続日本ダービー制覇や悲しいところでは岡田繁幸氏逝去など、残念ながら選に漏れた話題は多々あるが、あくまでも個人的な印象で列挙させていただいたのでお許しいただきたい。
さて、今年はどんなニュースが飛び込むか。横山武史騎手の躍進やラヴズオンリーユーの世界を舞台にした活躍のような明るいニュースで賑わう事を願いたい。
1位 横山武史騎手、大躍進
2位 世界のダート戦線で1、2着
3位 ラヴズオンリーユー、BCなど海外3勝
4位 エフフォーリア3歳で天皇賞などGI3勝
5位 ルメール騎手5年連続リーディング
6位 蛯名正義騎手引退
7位 コントレイル、グランアレグリアら有終の美飾る
8位 ソダシブーム
9位 JRA初女性騎手ワンツースリー
10位 オジュウチョウサンの復活V
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。