すでに往路の時点で、故障者の影響が出て、区間配置に歪みが出ていたのだ。その結果、全10区間のうち、二桁区間が3区、7区、8区と3区間も出てしまった。

「3つの区間で二桁をやっていたら勝てないですね。今回、うちは故障者が多かったけど、スタミナ不足も大きかった。その辺が見えてきたなって思いました」

　ただ、これだけいろんなことが起こり、二桁区間が3つも生じればシード権争いに落ちてもおかしくはない。それでも3位という目標を達成することができたのは、全日本大学駅伝での飛車角抜きの優勝で示したように、個の質が高く、チームに底力があるからだろう。

「今回は、うちに故障者がいたので、なかなかベストメンバーが組めなかった。今回、初めて走った中でしっかり走った選手もいたので、来年にうまくつなげたい。もう一回やり直しですね」

総合3位で今年の箱根を終えた駒大。連覇は達成できなかった　©Nanae Suzuki

田澤が最上級生になる来年に「王座奪還」へ

　1区の唐澤が区間2位と好走し、5区の金子伊吹（2年）も区間4位の走りで順位を6位から3位に押し上げた。2区の田澤は、留学生が走る中で区間賞を獲った。収穫は大きいが、青学大に11分15秒もの差をつけられた現実がある。雪辱期すには、大八木監督が求めるスタミナをつけるために走って、走って、泥臭く、戦える足を作っていくしかない。さらに故障をなくし、100％の力をレースで発揮できるようなメンタルトレなども必要になってくるだろう。

　青学大が普通にやってきたことを当たり前に出せるようにする。

　そうして駒澤大の「強さ」や「史上最強の2年生」が妄想ではないことを、田澤が最上級生になる次回大会で証明し、王座を奪還しなければならない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。