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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
南野拓実「What a night!」な劇的弾を転機に… 苦悩の前半戦から《リバプールで真の主力》へ連係を成熟させたいキーマンは誰?
posted2021/12/29 11:10
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Naomi Baker/Getty Images
「What a night!(なんて夜だ!)」
22日に行われたリーグ杯準々決勝のレスター戦後、リバプールのFW南野拓実は自身のインスタグラムにこう記した。
リバプールは前半に2点のリードを許す苦しい展開に陥ったが、後半アディショナルタイムに劇的な同点ゴールが生まれ、3-3の引き分けに持ち込んだ。そして、PK戦の末に逆転で勝利──。後半45+5分に生まれた貴重な同点弾を挙げたのが、南野だった。
スリリングな試合展開もさることながら、日本代表は5番手のキッカーとして登場したPKを失敗した。シュートがクロスバーに当たって外れると、膝から崩れ落ちて悔しがった。起死回生の同点ゴールに沸けば、PK失敗に両手で顔を覆い、最後はチームの勝利に喜びを爆発させた。ジェットコースターのように、感情のアップダウンが激しい一戦となった。まさに、「What a night」である。
フィルミーノとの好連係、明確な結果
この日の南野は、これまで以上に積極的な仕掛けを見せた。ファイナルサードでボールを持てば、敵を背負った状態からでも前方への突破を試みた。これまでなら無理と判断すれば無難な横パスやバックパスを選択することが多かったが、ゴールに近いエリアでトライを続けた。そんなアグレッシブな姿勢が、1ゴール、1アシストという結果に結びついたように思う。
他にもポイントは2つあった。
ひとつは、CFのロベルト・フィルミーノと良質のコンビネーションを奏でたこと。
ゼロトップとして前線から中盤まで幅広く走り回るブラジル代表FWは、4-3-3の左FWとして先発した南野の動き出しを非常によく見ていた。フィルミーノが中盤まで下がれば、南野が空いた前線中央のスペースに走り込む。そして、ブラジル代表は南野の走り込んだ先に、きれいにパスを通した。
優れたパスの出し手であるフィルミーノと、相手ライン間のスペースを突く南野の「相性の良さ」は、この試合で随所に確認できた。2人のコンビプレーからチャンスが生まれたのは少なくとも5回。DFラインの裏に抜けるランや、クロスボール時にゴール前でフリーになる動きを得意とする日本代表の怖さは、フィルミーノとの共存で著しく増した。
明確な1ゴール1アシストは最大限のアピール
もうひとつは、1ゴール、1アシストの結果を残したこと。