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《二刀流の遠藤航》デュエルに加わったパス能力 主将としても高評価、内田篤人を上回る「ブンデス+代表での数字」とは

posted2021/12/29 11:09

 
《二刀流の遠藤航》デュエルに加わったパス能力 主将としても高評価、内田篤人を上回る「ブンデス+代表での数字」とは<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/Getty Images

2021年の遠藤航は出色の出来だった。日本代表でもシュツットガルトでも今や絶対的な中軸だ

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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日本代表で欠かせぬ中軸で、それぞれドイツとイングランドで奮闘を続ける遠藤航と南野拓実の20-21シーズン前半戦の総括と新たな可能性を分析した記事をお送りします(全2回/南野編も)

 遠藤航がシュツットガルトで“二刀流”に挑戦しているのはご存じだろうか。

 彼が2020-21シーズンのデュエルの勝利数で、ブンデスリーガ全体の1位に輝いたのは有名な話だ。

 21-22シーズンはちょうど半分の17試合を終えウインターブレイクに入ったが、デュエルの勝利数は全体で3位に位置している。

 勝利数ランキングでリーグ3位につけていること自体が一昔前を考えれば快挙なのだが、1位から3位になったことで、パフォーマンスが低下したと判断する人もいるかもしれない。

 でも、それはあまりに早計だ。大谷翔平が本塁打王や最多勝のタイトルをとっていないからMVPにふさわしくない、と判断するのと同じくらいに――。

 実は遠藤が、以下の2項目で昨季から成績を大きく伸ばし、リーグ全体でトップ10入りしていることはあまり知られていない。

 被ファール数 36回(2位)/ パス数 854本(10位)

 たくさんのファールを受けながら、パスを数多く供給する。攻撃の起点として機能、なおかつ、対戦相手からは厳しいマークを受けている証拠だ。

 つまり今季は、自他ともに認めるシュツットガルトの攻撃の起点として君臨しているのだ。

 いったい、何があったのか。

インサイドハーフ起用が大幅に増加

 その秘密を解く鍵はポジションにある。今季17試合で務めたポジションは3つに大別される。

 中盤の中央に複数の選手が配され、そのなかで守備の比重が大きいアンカーとしての起用が2試合。ダブルボランチの一角としての先発が7試合。これらは多くの人が遠藤のポジションとしてイメージするものだろう。

 では、残りの8試合はどうか。

 別の選手(センターバックを務めることもあるカラソル)にアンカーをゆずり、その一つ前、インサイドハーフでプレーしているのだ。

 つまり、リーグ戦先発時にもっとも多く任されたのは、インサイドハーフとしての役割だった。

 デュエルの「勝利数」が3位になったのはチーム成績が落ちていることに加えて、ポジションが上がったことでデュエルを挑む回数が減少したこと(守備デュエルの「総数」は1試合あたり9.45回から8.29回)と関係している。

「自分が点に絡むようなプレーをしなければいけない」

 遠藤は、インサイドハーフの起用が本格化してきた10月に以下のように話していた。

【次ページ】 カウンターで前に出る分、攻撃時のリスク管理が課題

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遠藤航
シュツットガルト

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