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「離島甲子園」から育成で巨人入り、五輪選手が学生アスリートに助言… 中田英寿が発起人「HEROs AWARD」受賞理由が面白い

posted2021/12/26 17:00

 
「離島甲子園」から育成で巨人入り、五輪選手が学生アスリートに助言… 中田英寿が発起人「HEROs AWARD」受賞理由が面白い<Number Web> photograph by HEROs AWARD

2021年の「HEROs AWARD」の様子

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HEROs AWARD

 優れた社会貢献活動を行っている選手やチーム、団体を表彰する「HEROs AWARD 2021」が12月20日に開催された。

 この賞は2017年10月に始まった「HEROs Sportsmanship for the future」プロジェクトの柱のひとつで、社会のため、地域のため、子どもたちの未来のため、競技場の外でもスポーツマンシップを発揮している多くのアスリートたちの取り組みを審査し、彼らの社会的価値を高め、活動を促進していくことを目的としている。

 4回目を迎えた今回、「HEROs AWARD」に選ばれたのは次の活動だった。

●村田兆治さん(男性部門)/離島甲子園
●寺田明日香さん(女性部門)/A-START
●千葉ジェッツふなばし(チーム・リーグ部門)/JETS ASSIST
●AI(特別賞)

 かつてロッテなどで活躍した200勝投手、村田兆治さんがライフワークとして取り組んできたプロジェクトが「離島甲子園」だ。新潟県粟島浦村から届いた一通の手紙をきっかけに、たくさんの有人離島があることを知った村田さんは、自らの勝ち星と同じ215の島々を巡ろうと考える。やがて全国の離島の球児たちが一堂に集まる中学生野球大会「離島甲子園」の構想を描き、2008年に実現させた。

 多くの島々では、過疎化や高齢化が進行、社会的・経済的情勢の変化も重なって、島民の生活や産業に深刻な影響が出ている。そこで、島外との交流機会に恵まれない離島球児たちに夢や希望、挑戦する心を伝えることで、離島同士の絆を繋ごうという思いがあった。

 目標とするのは、離島の次世代を担う人材の育成。野球やチームを通して学んだことを活かし、社会で活躍してもらいたいという願いだ。

「離島甲子園」からプロ野球選手

 開催を重ね、「離島甲子園」からついにプロ野球選手も誕生する。今秋のドラフト会議で、佐渡島出身の菊地大稀投手(桐蔭横浜大)が巨人から指名(育成6巡目)を受けたのだ。菊地投手は、今回の表彰式に登場し、プレゼンターとして村田さんにトロフィーを贈呈。村田さんからは「島の宝を出すことができた。これから大舞台で活躍してほしい」と激励を受けた。

 コロナ禍で思い悩む学生アスリートに向け、「A-START」を実施してきたのは、女子100mハードル日本代表として2020東京オリンピックに出場した寺田明日香選手。練習制限や大会中止などでモチベーションが続かない日々のなかでも、自分で考え、創造し、困難を乗り越える力を持ってほしいという思いのもと、オンラインプログラムの他、3日間のスプリントキャンプも行った。

【次ページ】 Bリーグクラブが初めて受賞した理由とは

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中田英寿
安藤美姫
村田兆治
寺田明日香
千葉ジェッツふなばし

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