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「離島甲子園」から育成で巨人入り、五輪選手が学生アスリートに助言… 中田英寿が発起人「HEROs AWARD」受賞理由が面白い 

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posted2021/12/26 17:00

「離島甲子園」から育成で巨人入り、五輪選手が学生アスリートに助言… 中田英寿が発起人「HEROs AWARD」受賞理由が面白い<Number Web> photograph by HEROs AWARD

2021年の「HEROs AWARD」の様子

 オンラインプログラムでは、知識を伝えるだけでなく悩みも聞き、経験を生かしてアドバイスを送った。キャンプでは一緒に練習に取り組んだ学生たちが、自分の体のコントロールや競技そのものに新しい目をむけ始める様子を目の当たりにした。学生たちの成長は自分のモチベーションにつながったという。

「現役選手だからこそ、見せられる動きや伝えられる取り組み方、考え方があります。それらを、次代を担う選手たちに感じてもらうことに価値がある。彼らが一歩先へ進むためのきっかけになればと願っています」

 夏のオリンピックでは、日本勢21年ぶりとなる準決勝進出を果たした寺田選手。このプロジェクトは、大舞台に立つ自分自身にとっても有意義だったと続けた。

「学生たちと触れ合え、新しい情報を共有できたことは私の競技生活にも影響を与えました。来年以降もまた出来たらいいなと思っています」

Bリーグクラブが初めて受賞した理由とは

「JETS ASSIST」という社会貢献活動が評価された千葉ジェッツふなばし。Bリーグのクラブ、Bリーグ自体を通して初めての「HEROs AWARD」受賞となった。

 この活動は、「“ささえる”から始まる社会貢献」をスローガンとし、自治体やNPO法人、企業と連携しながら地域のニーズに応える形でさまざまな活動を実施するもの。人を巻き込む力を持つ千葉が加わることで、活動をより大きくするのが狙いだ。例えば、「フードバンクふなばし」と協業した「フードドライブ」では、ホーム戦開催日に活動を実施。支援が必要な方たちに届けるべく、たくさんの食品の寄付を集めた。

 チームのキーマンとして活躍した原修太選手が「接した子どもたちの元気が自分のモチベーションとなり、プレーにもつながった。今年は多くの方々に支えられて走り抜けた1年。優勝という結果で恩返しができたかなと思います」と振り返ると、田村征也社長は、「私たちだけではできることが限られているので、今後とも千葉ジェッツが地域のハブとなり、ファンやパートナー、地域の皆さまを結び付けて、社会貢献活動の輪を広げてまいります」と継続した取り組みを誓った。

中田英寿が語った「ヒーロー」という意義

「HEROs AWARD 2021」の会場には、水谷隼選手や田中希実選手ら2020東京オリンピックに出場したアスリート、中田英寿さんや安藤美姫さんらHEROsアンバサダーなど、様々な関係者が競技の枠を越えて集まった。さらに今回は、SDGsの発信をテーマとしたメディア「TIP|Take Action for Peace」の開発など、積極的に社会貢献活動を行っているAIさんが、アーティストとして初めて「HEROs AWARD」を受賞。会場でライブパフォーマンスも披露して、活動の輪を広げた。

 HEROsの発起人でもある中田さんは、「ヒーローはどこにでもいます。自分にできないことができる人がヒーロー。なので、誰がなにをやっているのか知ることが一番大事じゃないかなと思います」と語る。なかなか知る機会のない社会貢献活動がこうして広く発信されることで、社会が抱える課題とその解決策に関心を持つ人はきっと増えていくはずだ。

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