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バレーFC東京、突然の「活動休止」に選手の本音は? 長期離脱中のリベロ古賀太一郎は仲間に問いかけ「思っていることを吐き出せ」 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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posted2021/12/14 11:02

バレーFC東京、突然の「活動休止」に選手の本音は? 長期離脱中のリベロ古賀太一郎は仲間に問いかけ「思っていることを吐き出せ」<Number Web> photograph by JVA

チーム活動休止の発表後、初めての公式戦となった天皇杯。FC東京は準々決勝で敗れたものの、不安を振り払うように一丸となって戦った

「コロナを原因にしてはいけないのですが、入場者数が50%に制限され、計算していた入場収入が激減してしまった。もともと運営費が少ない中、入場料収入が半分になってしまったうえ、Vリーグのホーム&アウェイ方式で収益を上げるために自分たちで興行するという状況では限界に近い。非常に苦しい状況を打破するために、何らかの手を打たなければならない、という中での苦渋の選択でした」

 今年11月、東京フットボールクラブの筆頭株主が東京ガスグループから、SNSの『mixi』やスマホゲーム『モンスターストライク』といったコミュニケーションサービスを提供する株式会社ミクシィに変更すると発表された。12月10日の臨時株主総会を経て正式決定されたこともあり、この決定がバレーボールチームの存続にも大きな影響を及ぼしたのではないか、と推測するのが多数である中、鈴木氏は「それとは別の話」と否定する。

「たまたま時期が合致してはいますが、別のところで進んでいたことです。これまで長い間、東京ガスさんにはクラブを支えていただいていたにも関わらず、FC東京バレーボールチームとしてスポンサー収入を含む収益を上げられず、申し訳なく思っています」

年間運営費は約5〜6億円

 バレーボールチームの運営費は年間約5〜6億円。ホームアリーナを持たないFC東京は、“東京”でのホームゲームのたびに支払う会場使用料も高額だ。

 全選手がプロであるサッカーとは対照的に、外国籍選手と元日本代表の古賀太一郎を除いた選手は東京ガスのグループ会社であるライフバルのさまざまな事業所で雇用されているため、人件費はある程度抑えられるが、バレーボール部の寮や合宿、大会参加への移動を含めた経費を加えれば、経営は決して楽ではない。しかも入場料収入は激減し、Vリーグからの放映権料も入らない。

 支援してくれるスポンサーを獲得しなければならないことを承知しながらも、“東京ガスの企業選手”が揃うチーム状況では現実的に難しい。チームを有する企業側に経済的負担がかかることに加え、国際試合と異なり、国内のリーグ戦に訪れるメディアは数えるほどで、当然ながら露出の機会も限られる。現場がどれほどチームの価値を訴えようと、集客や経営に関してある意味、チーム頼みとも言える現状のVリーグでは、経営視点から見て価値を見出しづらい。極端に言えば「メリットがない」と捉えられても責めることはできない。

 在籍7年目のセッター手原紳は現状を冷静に受け止めていた。

【次ページ】 セッター手原「逆に1つにまとまった」

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