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バレーFC東京、突然の「活動休止」に選手の本音は? 長期離脱中のリベロ古賀太一郎は仲間に問いかけ「思っていることを吐き出せ」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byJVA
posted2021/12/14 11:02
チーム活動休止の発表後、初めての公式戦となった天皇杯。FC東京は準々決勝で敗れたものの、不安を振り払うように一丸となって戦った
5月限りでの活動休止が発表され、全体譲渡を最優先にチームが存続する方法を模索し、交渉が為されているが、今後どうなるかはまだわからない。
シーズン中、しかも天皇杯直前のショッキングな発表に、FC東京のみならず多くのバレーボール関係者から「かつての廃部ラッシュから何も学んでいない」「リーグの仕組み、事業化を見据えた運営方針が不透明過ぎる」といった声も多く上がり、他の男女チームも対岸の火事ではないと危機感を訴える。
選手の今後を考えれば、FC東京のみならず、リーグ全体のあり方も含めて早急に取り組むべき課題は山積みだろう。ただ、選手たちは決して「どうなるかわからない」という不安ばかりに押しつぶされているわけではない。この状況をも「注目を浴びられるチャンス」とプラスに捉えた。
多くの人たちに愛され、“俺たち”、“私たち”の愛するFC東京バレーボールチームの魅力を伝えるべく、選手自らSNSで発信。かつて左脛腓間靭帯断裂など全治12カ月という大ケガから復帰した経験がある長友は、『長友優磨 you'll never walk alone』と掲げられたメッセージが復帰に向けた力になったと振り返る。
「本当はサポーターのチャントを聞きたいけれど、それができないなら今は自分たちがやっていく。(年明けに再開するVリーグの)ホームゲームでも同じように選手発信のチャントで、会場も巻き込んで1つの空間をつくりたい。1人でも多くの人に、FC東京を応援してもらえたら嬉しいです」
何度も励まされ、心を奮い立たせたチャントを、今度は選手から。
共に戦おう。
未来のために。下ではなく、前だけを見て進んで行く。
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