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《香港4レース分析》日本勢が好走する可能性が“最も高い”のはどのレース? スプリントは現地有力馬不在でピクシーナイトに勝機か
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byAFLO
posted2021/12/11 06:00
今春のクイーンエリザベスII世カップを制したラヴズオンリーユー(右から2頭目)
(2)香港マイル 日本馬は4頭、サリオスに期待
次に香港マイル(GI、1600メートル)。開設当初は香港ボウルの名称の1400メートルで行われていた。現在の距離で行われるようになった99年以降の計22回では香港スプリント同様、地元勢が結果を残している。優勝馬を地区別にみると次の通り。
香港15勝
日本4勝
欧州2勝
ニュージーランド1勝
今年はインディチャンプ(牡6歳、栗東・音無秀孝厩舎)、ヴァンドギャルド(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)、サリオス(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)、ダノンキングリー(牡5歳、美浦・萩原清厩舎)の4頭がここに挑む。
これら日本馬の中では、個人的に香港で実績のある堀厩舎のサリオスに注目しているが、ひと叩きされたインディチャンプやグランアレグリアを破ったダノンキングリーらも勿論ノーチャンスではないだろう。
もっともデータ的に有利な地元馬では今年も中心視される馬がいる。昨年の覇者でもあるので皆さんご存知であろうゴールデンシックスティ(騙6歳)だ。
同馬はここまで19戦して18勝。前走の香港JCマイル(GII)も最後方から楽々と突き抜けた。地元ではおそらく圧倒的1番人気が予想されるし、日本馬の売れる傾向にあるJRAのプールでもさすがにこの馬が1番人気になるのではないだろうか。日本勢にとっては越えなければならない高き壁となりそうだ。
(3)香港ヴァーズ データ上は欧州勢が圧倒
続いて香港ヴァーズ(GI、2400メートル)。
この距離は圧倒的に欧州勢が強い。香港ヴァーズの名称で行われるようになった99年以降22回の勝利馬を地区別に分けると次の通り。
欧州17勝
日本3勝
香港2勝
2400メートルは欧州競馬における根幹競走の距離であり、香港ヴァーズに限らず例えばアメリカのブリーダーズCターフ(GI)やドバイのドバイシーマクラシック(GI、2410メートル)でも圧倒している。