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《香港4レース分析》日本勢が好走する可能性が“最も高い”のはどのレース? スプリントは現地有力馬不在でピクシーナイトに勝機か

posted2021/12/11 06:00

 
《香港4レース分析》日本勢が好走する可能性が“最も高い”のはどのレース? スプリントは現地有力馬不在でピクシーナイトに勝機か<Number Web> photograph by AFLO

今春のクイーンエリザベスII世カップを制したラヴズオンリーユー(右から2頭目)

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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AFLO

 現地時間12日、香港・シャティン競馬場で恒例の国際レースが行われる。

 今年は4つのカテゴリーに12頭の日本調教馬が出走予定。長引くコロナ禍により海外からのメディアは基本受け付けない形になるため私も現地へは出向けない。しかしながらJRAでは馬券を発売するので、各レースの過去の傾向を見ながら今年が果たしてどうなるのか、簡単に占ってみたい(データはいずれのレースにおいても1999年以降、昨年までの計22回を対象とした)。

(1)香港スプリント “香港勢が圧倒的に強い”

 レースは順不同で紹介させていただく。

 まずは香港スプリント(GI、芝1200メートル)。今年も挑戦するダノンスマッシュ(牡6歳、栗東・安田隆行厩舎)が昨年、制したレース。とはいえ、過去の傾向としては圧倒的に地元香港勢が強いカテゴリー。過去22回のうち香港馬は実に16勝をあげている。

 香港馬以外で勝った6勝の内訳はまず日本馬が3勝。先述のダノンスマッシュの他にその父のロードカナロア(牡・栗東・安田隆行厩舎)が2012、13年に連覇している。他では創設当初の第2、3回(00、01年)に連覇を果たしたオーストラリアのファルヴェロンと10年に制した南アフリカのジェイジェイザジェットプレーンのみ。香港は自国の生産がないためほとんどの競走馬がオーストラリアやニュージーランドといった南半球産の馬。加えてオーストラリア2勝、南アフリカ1勝という事は、このカテゴリーのほとんどの優勝馬が南半球産という事。短距離戦の傾向を如実に表していると言って良いだろう。

スプリンターズS覇者ピクシーナイトはどうか?

 実際、先述のロードカナロア、ダノンスマッシュ親子は例外的に結果を残したとはいえ、ダイタクヤマトやビリーヴ、ショウナンカンプ、カルストンライトオにローレルゲレイロ、最近でもビッグアーサー、レッドファルクスやタワーオブロンドンなど、日本のスプリントGI(スプリンターズSか高松宮記念)を制しながらも香港では二桁着順に惨敗した馬は数多い。他でもサニングデールやカレンチャン、ファインニードルら日本のGI馬がやはり勝てずに終わっている。

 そんな厚き壁に今年、挑むのが先出のダノンスマッシュの他にピクシーナイト(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)とレシステンシア(牝4歳、栗東・松下武士厩舎)の計3頭。

 地元勢が圧倒的に強いカテゴリーではあるが、日本勢にとって幸いなのは、今年は抜けた存在の香港馬がいないという点。レーティング的にはピクシーナイトがトップタイの117で、ダノンスマッシュも3位タイの116となっている。「そうは言っても今年も香港馬か……」という結果に終わる事が多いのだが、昨年のようなハッピーエンドを期待したい。

【次ページ】 (2)香港マイル 日本馬は4頭、サリオスに期待

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ダノンスマッシュ
ピクシーナイト
レシステンシア
インディチャンプ
ヴァンドギャルド
サリオス
ダノンキングリー
ゴールデンシックスティ
グローリーヴェイズ
ステイフーリッシュ
ヒシイグアス
ラヴズオンリーユー
レイパパレ

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