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激戦の新人王争い「栗林が60%、牧が40%」 完全試合男・槙原寛己に聞く“大豊作の2021年ルーキーは何が違う?”
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byJIJI PRESS
posted2021/12/07 11:06
混戦極まる今年のプロ野球新人王争い。15日に迫る発表を前に、巨人の元投手で新人王を獲得している槙原寛己氏に話を聞いた
なんといっても、マウンド度胸がいい。変な言い方かもしれませんが、「ボールをどんどん投げていく」イメージですよね。でも若手投手はそれでいいんです。仮に打たれても、攻めた場合と逃げた場合では、得られるものがまったく違います。あの意気を忘れずに、ファイターズの「不動のエース」に成長してもらいたいものです。
混戦のセ新人王はだれか?「私が予想する確率では…」
つづいてセ・リーグですが、栗林良吏(広島)と牧秀悟(DeNA)の2人に絞られていると思います。
私が予想する確率では、栗林が60%、牧が40%。両選手とも新人らしからぬ結果を残しましたが、栗林が少し上回った理由は東京五輪での活躍です。
記者の投票によって各リーグで最も優れた活躍を見せた選手が選ばれる新人王ですが、一般に公平性の観点から五輪やプレーオフ、日本シリーズでの結果は含まないと言われます。とはいえ、それらで活躍した選手は、心情的に投票されやすくなることは大いにありうるでしょう。
その点、栗林はシーズン成績もさることながら、2勝3セーブならびに胴上げ投手と、侍ジャパンの金メダル獲得に大きく貢献したことが、新人王争いにも影響するのではないか、と見ています。
栗林はルーキーイヤーとあって、無我夢中で駆け抜けた1年目だったのではないでしょうか。言い換えれば、怖いもの知らずで打者に向かっていけた。私も経験があるので言いますが、クローザーは極めて過酷な“職業”です。シーズン中はほぼ毎日、出番に備えて準備しなければいけないわけですから。長年にわたって活躍し続けた抑え投手が少ないことが、そのハードさを表していると思います。
その意味でも、37セーブという新人最多記録(タイ)を残した栗林が新人王を獲得する可能性が高いでしょう。