バレーボールPRESSBACK NUMBER
V6「バレーやらない?」嵐「you達やっちゃいなよ」…なぜW杯から国民的ジャニーズアイドルは生まれ続けたのか
text by
霜田明寛Akihiro Shimoda
photograph byGetty Images
posted2021/10/31 17:02
11月1日に解散の日を迎えるV6。この「V」には“バレーボール”の意味が込められているという
2003年のワールドカップのイメージソングとなったNEWSの『NEWSニッポン』は、セブン-イレブン限定販売というインディーズのような扱いで、正式なメジャーデビューは翌年の2004年。結成時はメンバーが確定していない旨のアナウンスもされた流動的なグループで、ジャニーズにとっては「新グループへの世間の反応を見る」意味合いもあったのかもしれない。
その傾向は2006年の『女子バレーボール ワールドグランプリ2006』でも見られた。当時NEWSに所属していた山下智久、タイ出身の兄弟デュオ・GOLF&MIKEの3人による期間限定ユニット「GYM」がイメージソングを担当するが(曲名義のみ。大会期間中は4人を加えた7人組の『Kitty GYM』として活動)、活動はその曲限りに。2005年には『ワールドグランドチャンピオンズカップ2005』で既に人気沸騰していたKAT-TUNが応援プロデューサーを務めたが、やはりCDデビューは翌年に持ち越された。
ただフジテレビで中継するものに限らず、多くのバレーの大会にイメージキャラクターとして関わったものの“継続的に活動する新グループとしてCDデビューする”ということはワールドカップのときのみで、4年に1度だけだった。ジャニーズグループは、KAT-TUNのようにジャニーズJr.時代からユニットが組まれてそのままの編成でデビューするパターンも多いのだが、ときに、それまであったユニットを解体してまでも、この鉄則は貫かれることになる。
V6の結成から12年後の2007年、「Hey! Say! JUMP」が結成。この年のバレーボールワールドカップに合わせてCDデビューを果たす。バレーボールワールドカップから生まれたジャニーズアイドルとしては、NEWSに続く4組目だった。このときもYa-Ya-yahなど、冠番組を持つほどだったジャニーズJr.内の人気ユニットが事実上の活動停止となっている。
かおる姫、ハンカチ王子…スポーツ選手の“アイドル化”
この頃からスポーツ界である現象が生まれ始めた。ジャニーズという本物のアイドルが、多くのバレー中継に顔を出していた2000年代の半ばから、選手の“アイドル化”も強くなっていったのだ。
2003年のバレーボールワールドカップは、女子バレーの栗原恵と大山加奈の19歳コンビが注目を集めた。それぞれ『プリンセス・メグ』『パワフル・カナ』のキャッチコピーとともに、2人あわせて『メグカナ』という愛称まで生まれた。他にも、“スーパー女子高生”として注目を集めた木村沙織や、“かおる姫”と親しまれた菅山かおるなどもそうだろう。
バレー以外にも目をやれば、高校野球で一躍有名になった早稲田実業高の斎藤佑樹選手が『ハンカチ王子』、ゴルファーの石川遼選手は『ハニカミ王子』など、メディアを中心にスポーツ選手に“姫”“王子”といった、それまでアイドルにつけられていたような呼称が見られるようになる。