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V6「バレーやらない?」嵐「you達やっちゃいなよ」…なぜW杯から国民的ジャニーズアイドルは生まれ続けたのか
text by
霜田明寛Akihiro Shimoda
photograph byGetty Images
posted2021/10/31 17:02
11月1日に解散の日を迎えるV6。この「V」には“バレーボール”の意味が込められているという
嵐の誕生までのエピソードは、これまでもそれぞれの口で語られてきたが、松本潤に言わせるとこうだ。松本が二宮和也と一緒にリハーサル室に行ったところ、小さい子たちがバレーの練習をしており、そこでジャニーさんから一言「you達もバレーやっちゃいなよ」。やってみたところ、「上手いじゃん」と言われ、これが2人の嵐入りのきっかけになった。(*2)
一方の櫻井翔には「ワールドカップのイメージキャラクターをやらない?」と、1999年・高校3年生だった年の6月に電話がかかってきたという。当時、高校を卒業したらジャニーズを辞めようと思っていたという櫻井は、このグループが一時的なものだと思って「いいよ。やるよ」と快諾したという。(*3)
「もしワールドカップの開催が1年遅くて、嵐の結成が1年遅れてたら、オレ、事務所を辞めて、普通の大学生やってたと思うよ」(*3)
のちにこうも明かしている櫻井だが、松本のデビューまでのエピソードと合わせると、「バレーボールワールドカップが1999年に行われていなかったら、国民的アイドル・嵐は生まれていなかったのでは?」とも考えてしまう。
ジャニーズアイドルとW杯バレーが生んだ相乗効果
こうして誕生した5名(相葉雅紀・松本・二宮・大野智・櫻井翔)によるジャニーズアイドルグループ・嵐は、デビュー曲で大会のイメージソングにも起用された『A・RA・SHI』を試合本番前の会場でのパフォーマンスで披露する。その他にも大会関連のCMなど、地上波で頻繁に流されることによって広く認知され、週間ランキングで首位に。実際、『A・RA・SHI』は、2020年に活動休止前最後のシングル『カイト』がミリオンヒットをとばすまで、嵐の最も売れた楽曲だった。
バレーボールワールドカップのイメージキャラクターでデビューし、国民的に広く認知されること。V6、嵐と続いたこの方式は、その後、ジャニーズの伝統『デビュー曲オリコン1位』を継続させることにも一役買うことになる。ジャニーズにとっては、アイドルを知らない層にも顔を広めることができ、バレー関係者にとっては、ジャニーズアイドルをイメージキャラクターにすることで競技への注目度を高めることができる。こうした相乗効果によって、ジャニーズとバレーボールの、意外にも見える繋がりは強くなったのだ。
バレー大会に登場した“意外なジャニーズアイドル”たち
2000年代半ばは、4年に1度のワールドカップのみならず、その他のバレーの大会にもジャニーズのユニットが絡むようになってくる。