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「引退したのに断髪式ができない」白鵬ら若き親方が13人も“ちょんまげで待機”…珍事のワケとは?
posted2021/11/01 06:01
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph by
Shoko Sato
横綱・白鵬がついに土俵を去った。年寄名跡の間垣を襲名し、今後は親方として後進の指導にあたることになる。白鵬ほどの功績と人気があれば、さぞ賑々しい断髪式――「白鵬引退 間垣襲名披露大相撲」が催されるだろう。
しかし、現状ではいつ開催されるかメドが立っていないのだ。それというのも、コロナ禍のもとでイベントに入場制限が掛かる昨今、引退はしたものの、ちょんまげを頭に乗せたまま状況を窺っている若き親方たちが13人もつかえているのだ。
引退時期から順番に挙げると、'19年7月に引退した元安美錦の安治川親方を筆頭に、嘉風(中村親方)、誉富士(楯山親方)、豪栄道(武隈親方)、栃煌山(清見潟親方)、豊ノ島(井筒親方)、蒼国来(荒汐親方)、琴奨菊(秀ノ山親方)、鶴竜(鶴竜親方)、豊響(山科親方)、勢(春日山親方)、旭日松(桐山親方)、そして白鵬と“順番待ち”状態なのだ。
断髪式の延期は親方たちにとって大問題
引退相撲興行は親方個人の主催となる。後援者らが大銀杏にハサミを入れるだけでなく、力士会が協力して取組を披露し、初っ切りや相撲甚句など、地方巡業でおなじみのプログラムが組まれる。ゆえに巡業のない、1月、5月、9月の東京場所後の休日に開催されるのが恒例だ。入場料収入は、年寄名跡の購入代金に充てられるなど親方個人の収入となるため、コロナ禍収束の動向は親方たちにとって大問題なのだ。
今や「日程確保も早い者勝ち」の様相を呈し、2度の開催延期を経た元安美錦は、季節も良い来年5月29日の両国国技館を早々に抑え、元豊ノ島も同28日を予定。同じく2度延期していた元大関・豪栄道は彼らより早い来年1月29日に、翌30日には元栃煌山が興行を打つことになった。
先の秋場所では元栃煌山が国技館にポスターを貼り、自らファンに宣伝をしていた。あれ? 元豪栄道は、出遅れてる?
「引退から約2年での断髪になりますね。床山さんに毎日ササッと結ってもらい、現役時代となんら変わらないですよ。マゲを切ったら寂しいとか、その日にならんとわかりませんけど、とりあえず髪型はオールバックかな? 今、ちょうど打ち合わせ中だったんですよ、断髪式用印刷物の。髪型の話は置いといて――急ぎますっ(笑)」