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<中日・立浪新監督>ドラフトの“長距離砲トリオ”に課題? 平均2.8点の貧打解消策は《大胆コンバート》? 山崎武司の忖度なし提言
text by
間淳Jun Aida
photograph bySankei Shimbun
posted2021/10/30 11:03
山崎武司や立浪和義らが現役だった頃の中日は「強竜打線」と呼ばれた。立浪新体制で打力復活となるか
「1年目からレギュラーだったら今いる選手は……」
現時点での弱点を指摘した山崎さん。ただ、どの選手にも課題があるのは当然と続けた。
「ポテンシャルだけではプロではやっていけない。ポテンシャルにプラスして考える力が必要。どうやって欠点を直していくかが、成功する選手とできない選手の違い。それに、大学生や社会人が即戦力と言われていても、1年目からレギュラーをつかんだら、今いる選手は何をしているんだという話になりますよ」
山崎さんが新人選手の加入で期待するのは、高いレベルでの競争によるチーム力の底上げだ。今シーズン、外野手で不動のレギュラーだったのは大島洋平しかいなかった。その大島も来月9日で36歳となる。根尾昂や岡林勇希らの若手に、平田良介や福田永将らの中堅、そこに新外国人が加われば、定位置争いは激化する。
今年のセ・リーグは、阪神の佐藤輝明や中野拓夢、DeNAの牧秀悟と大学・社会人出身の新人野手が存在感を見せる「豊作の年」となった。
ただ、山崎さんは「ドラフトは指名した時点で失敗か成功かは分からない。プロ1年目の選手は戦力として計算せずに、活躍したら儲けものくらいに考えてチームづくりをしないと強いチームにならない」と強調する。
厳しい競争を勝ち抜いた外野手のレギュラー。本塁打が計算できる5番打者の台頭。既存の選手が新入団選手の高い壁となれないようでは、中日が5位から浮上する道は見えない。
<立浪新監督の現役時代秘話編に続く>