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「軸とするのは星野さんの姿」立浪和義新監督は“弱竜”を変えられるか 山崎武司が必要と語る《2つの条件》とは

posted2021/10/30 11:02

 
「軸とするのは星野さんの姿」立浪和義新監督は“弱竜”を変えられるか 山崎武司が必要と語る《2つの条件》とは<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

現役時代の立浪和義氏。新監督として、低迷が続く中日を変えられるか

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間淳

間淳Jun Aida

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Hideki Sugiyama

中日ドラゴンズの新監督に立浪和義氏が就任することが正式に決定した。低迷が続く中でチームの“強竜復活”はなるのか。かつてのチームメートである解説者の山崎武司氏に語ってもらった(全2回)

「当時のドラゴンズは個性の塊だった。なかなか言うことを聞かないような自己主張が強い選手ばかりの中で、チームをまとめていたのが立浪。あの集団を引っ張るリーダーシップがあるんだから、指導者の経験がなくても心配ない。チームのことは立浪がやってくれる安心感があったので、自分のことに集中できた」

 リーグ5位に終わった中日の再建を託された立浪和義新監督に太鼓判を押したのは、元チームメートで1学年先輩の山崎武司さんだ。ともに高卒で中日に入団し、山崎さんがオリックスへ移籍する2002年まで15年間同じユニホームを着てプレーした。この間、中日はリーグ優勝2回、2位は6回と優勝を争うチームだった。

 山崎さん自身も強烈な個性で印象に残る選手だったが、当時は「個性の塊」と振り返るメンバーが揃っていた。立浪新監督の先輩には、山崎さんのほかに山本昌さんや中村武志さん。後輩には、落合英二さんや今中慎二さんらがいた。

後輩にうるさく、先輩には言うべきことを

「立浪は年齢的に真ん中で、後輩にはうるさいことを言って、先輩には言うべきことを言っていた。嫌われる時もあったし、何を言っているんだと怒鳴られる時もあった。それでも、チームが勝つため、優勝するためという覚悟があった」

 山崎さんの脳裏には、プロ野球の歴史に残るプレーヤーとしての姿だけではなく、チームリーダーの記憶が刻まれている。

 名門・PL学園では主将を務め、プロでは“ミスタードラゴンズ”と言われた立浪新監督は、いつもチームを勝利に導く責任を背負ってきた。勝利をどん欲に求めるブレない姿勢と信念。立浪新監督には追い求める指導者像があると山崎さんは感じている。

「芯の強さや執念が星野さんと重なる」

「立浪は厳しい監督やコーチのもとで育ってきたが、根本にあるのは星野さんだと思う。指導者の軸とするのは星野さんの姿。立浪は内に秘めるタイプだが、芯の強さや執念が星野さんと重なる」

 山崎さんが口にしたのは、“闘将”と呼ばれた星野仙一監督。冷静沈着な立浪新監督とは真逆に見える。だが、現役時代に星野監督の下でもプレーした山崎さんは「2人とも人の上に立つ、人を動かすのがうまい。言葉に影響力や説得力があり、優勝争いをする時など、重要な局面でチームを鼓舞するのは立浪であり、星野さんだった」と語る。

 立浪新監督が招聘された大きな理由は、“リーグ最弱”とも言われる打線の強化と若手野手の育成が考えられる。

【次ページ】 「根尾が複数安打を打った翌日に……」

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